吉永小百合に釘付け...監視される中での沈黙の感情表現が光る「日曜劇場『張込み』」
俳優
※カラー作品
映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」(2025年)で、女性で初めて世界最高峰エベレスト登頂に成功した登山家を演じている吉永小百合。
吉永といえば、17歳でデビュー後、"日活の看板女優"として一世を風靡し、80歳を超えた現在でも精力的に作品づくりに勤しむ国民的大女優。受賞歴も2012年まで史上最年少記録を保持していた17歳で受賞したブルーリボン賞主演女優賞をはじめ、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、芸術選奨文部科学大臣賞などに加え、紫綬褒章も受章するなど、名実ともに日本史に名を残す俳優の一人だ。吉永小百合ファンは「サユリスト」と呼ばれ、タモリも「サユリスト」であることを公言するなど著名人にも数多くファンがおり、一般人だけでなく著名人ですら憧れる存在。
彼女の魅力は筆舌に尽くしがたいのだが、特に挙げるとすれば"年齢を重ねても変わらない透明感"や"人間離れした美しさ"という外見と、それに勝るとも劣らない繊細の極みに至る演技力だろう。そんな彼女の魅力が楽しめる作品が、日曜劇場「張込み」(1978年、TBS系)だ。
同ドラマは、松本清張の短編小説を吉永主演でドラマ化したもので、東京で発生した強盗殺人事件の容疑者を追う刑事が、「容疑者はかつての恋人の元に姿を現す」と予想し、現在は九州に嫁いでいる容疑者のかつての恋人を張り込む様子を描いたサスペンス。
ある日、二人組による強盗殺人事件が起こる。犯人の一人が手帳を落とし、身元が割れる。柚木刑事(荻島真一)は容疑者・玉井(森本レオ)が5年前に別れた恋人・さだ子(吉永小百合)の元に現われるのではと予想し、さだ子が嫁いだ家の向かいにある旅館で張込みを始める。さだ子は20歳も年の離れた横川(佐野浅夫)の後妻となっていたが、夫は妻に生活費をあまり渡さないドケチの性分の上、家に戻らない日もあった。さらに、横川の娘は全く懐かず、さだ子は決して幸せとはいえない暮らしを送っていた...というストーリー。
ドラマは強盗殺人のシーンから始まり、たばこの煙が漂う警察の捜査会議のシーンと、殺伐とした緊張感のあるシーンが続く中で、張込みを始めた柚木刑事が旅館の部屋からさだ子の姿を見つける場面が吉永の登場シーンなのだが、そのハッとさせられるほどの美しさに目が釘付けとなる。「事件発生」「捜査開始」「張込み」とここまで第三者の視点で見ていた視聴者が、一瞬にして柚木刑事の視点にポジションチェンジさせられてしまうのだ。
■現れた瞬間から釘付けになってしまう、吉永小百合の存在感
放送情報
日曜劇場 「張込み」
放送日時:2025年12月6日(土)19:00~
放送チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ(スカパー!)
出演:吉永小百合、荻島真一、森本レオ、佐野浅夫、森塚敏、前田昌明、児玉謙次、樋口和子、中島元、松村彦次郎、安田隆、桐原史雄、大沢慎吾、三川雄三、戸沢佑介、大平加奈子、須田圭一、西山水木 ほか
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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