池田エライザ×阿達慶「リライト」尾道を舞台に描く、青春とタイムリープの切ない交差

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映画初出演の阿達慶が、未来人の保彦を好演
映画初出演の阿達慶が、未来人の保彦を好演

(c)2025『リライト』製作委員会

高校3年生の7月、図書室にいた美雪の前にどこからともなく現れた保彦。彼は自分が未来人だと美雪に打ち明け、飲むと10年後にタイムリープできるというカプセルを渡して、「いつか大事な人を救えるかもしれない」と意味深な言葉で美雪を困惑させる。秘密を共有することで美雪は保彦に惹かれていき、放課後を2人で過ごすようになる。初めてロープウェイに乗って怖がったり、保彦を見つめて笑顔を見せたり、美雪を演じる池田はキラキラした季節の真っ只中にいる高校生になりきっている。表情や仕草のみならず、制服の後ろ姿や髪型から瑞々しさが漂っている。

一方、当時17歳だった阿達は涼しげで浮世離れした雰囲気を漂わせており、平和とは言い難そうな未来の地球について語る時も淡々としているため、"2311年からやってきた未来人"という設定に自然と溶け込んでいる。そして、煌く夏もつかの間、先のカプセルが必要となる危機に直面し、10年後にタイムリープした美雪は未来の自分から「あなたが書いた小説」と本を見せられる...。

■大人になり、作家になった美雪を池田が抑えた演技で魅せる

(c)2025『リライト』製作委員会

後に上京し、自身が書いた小説を出版社に持ち込んだ美雪。あの夏のことを書いた処女作はボツになるものの、才能が認められて小説家デビューすることが決まる。心優しい夫と結婚生活を送っているが、"10年のタイムリミット"は迫っていた。ついに最初の小説が出版されることになった美雪は、実家に戻り、高校生だった自分が時空を超えて部屋にやってくるはずだと、かつてと同じシチュエーションで待っていた。しかし何も起きず、高校生の頃にタイムリープして知った未来と辻褄が合わなくなってしまうことに焦りを覚える。

母や夫に嘘をついて地元に留まることにした美雪は、当時のクラスメイトに再会。それと同時に東京で盗作騒ぎにも巻き込まれ、にわかには信じがたい事実が次々に明らかになっていく...。疲れきった顔や疑心暗鬼の視線を同級生に向ける美雪を演じた池田の芝居は、高校生の美雪を演じた前半とは別人のようだ。

夏祭りのデートで保彦に何かを耳元で話した茂や、友美が突然攻撃的になったあの日...。伏線が次々と回収されていく後半は怒濤かつ軽やか。青春とSFストーリーが見事に融合した同作を、池田の時を超える演技とともに楽しめる一作だ。

文=山本弘子

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