阿部寛の存在が物語の支柱に!横浜流星吉川晃司共演の日曜劇場「DCU」で描かれた水中捜査チームの奮闘

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阿部の代表作の1つでもある「下町ロケット」で演じた社長・佃は、人情深く親しみやすい役柄だったが、一方の新名は相手が誰であろうとストレートにものを言うため、傲慢だと思われることもしばしば。いわゆる"俺についてこい"タイプの隊長だ。

数々の事件が起こる物語の中で一貫して描かれるのは、第1話の冒頭シーンに出てくる、15年前に起こった海上での爆破事件に関わること。新名が当時の相棒で親友でもある成合(吉川)と救助活動に向かい、現場に居合わせた少年を救出するが、成合はそのまま行方不明となってしまう...。そして、その少年こそが幼き頃の瀬能。彼は成長し、新名を慕って「DCU」のメンバーとなる。同チームでは成合の妹・隆子(中村アン)も新名の下で勤務している。

しかし、新名が心を許した笑顔を向けるのは、婚約者で科学捜査ラボ班長・黒江真子(市川実日子)に対してのみ。事故のショックで記憶が断片的なこともあってか、時に新名に不信感をぶつけてしまう瀬能に対しても、新名は「記憶、思い出してみろよ」と突き放す。一方で、犯人を追って海に出る隆子を案じるがあまり鬼の形相になる一面も。そんな新名のさまざまな顔を演じる阿部の演技は、迫力たっぷりだ。生死と隣り合わせのリーダーを演じた阿部の存在は、本作の大きな柱となっている。

■個性豊かなキャスト陣の掛け合いも見応えたっぷり

新名という人間を読み解くキーワードの1つは、元相棒・成合の存在だ。若さゆえに感情で突っ走りそうになる瀬能に新名がかける「冷静になれ」という言葉や、「どんなに地味な捜査もいつか解明の道へと繋がっていく」というアドバイスも、成合が言っていたこと。新名にとって成合がかけがえのない存在だったことが伝わってくる。

かつてバディだったこの2人が"正義のヒーロー"として描かれていないことも謎を深め、研究者だった父の死の真相を確かめたい瀬能は混乱しながらも、その謎を突き止めようとする。

新名を演じた阿部の芝居で印象的なのは表情だ。秘密を明かさないことに反発する瀬能を相手にせず、口の端を曲げて笑うさまはシニカルだが、その瞳には息子を見るような愛情も宿っている。

過去に何があったのか、そして黒幕は誰なのか。最後まで予測不能なウォーターミステリーを、阿部を筆頭とするキャスト陣の迫真の演技とともに堪能してほしい。

文=山本弘子

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