
一方の設楽は、千波とは対照的な現場型の刑事だ。体を張って事件に向かう頼もしさがあり、いざという時にはしっかり前に出る。だが、千波の突拍子もない言動には振り回されっぱなしで、思わずツッコミを入れる場面も少なくない。格好よさだけで押し切るのではなく、人のよさや少し抜けたところも見せてくれる。その親しみやすさが、設楽というキャラクターの魅力になっている。
EXILEのボーカリストとしてステージに立つTAKAHIROには、華やかで堂々としたイメージがある。俳優としても、「ワイルド・ヒーローズ」では仲間思いの青年を演じ、「HiGH&LOW」シリーズでは雨宮雅貴役としてアクションと兄弟愛を背負った。強さの中に優しさをにじませる役柄は、TAKAHIROの持ち味と相性がいい。
「戦力外捜査官SPECIAL」の設楽にも、その魅力はよく表れている。たとえば、マカオで危ない男たちに追われた千波が、設楽と合流してほっとする場面。設楽は千波に声をかけてきた男たちに応戦し、クールに挑発しながら相手を倒していく。頼れる刑事としての格好よさが際立つ一方で、その直後にはスーツが破けてしまい、千波に見られてしまうというコミカルな展開が待っている。強くて頼れるのに、どこか決まりきらない。そんなギャップこそ、設楽というキャラクターの面白さだ。TAKAHIROはその役どころを、力みすぎず自然体で演じている。ステージ上の華やかな姿とはまた違う、肩の力が抜けた表情が見られるのも本作の楽しさでもある。
武井の軽やかなコメディ演技、TAKAHIROの自然体の芝居、そして二人が生み出す愛すべき凸凹コンビの空気。「戦力外捜査官SPECIAL」は、刑事ドラマとしての謎解きだけでなく、俳優同士の掛け合いを楽しめる作品だ。千波と設楽がマカオで繰り広げる明るくにぎやかな捜査劇に触れる機会になる。マカオを舞台にした事件を追いながら、千波と設楽の明るくテンポのいいやり取りにも注目してほしい。
文=川崎龍也











