吉高由里子 ドラマ「最愛」で見せた静かな熱量と大人の色香...止まらない女優としての進化
俳優
一方で、弟の優や加瀬のような親しい人たちと向き合う場面では、彼女本来の気さくで温かな素顔がふわりと顔をのぞかせる。「別人になりきるのではなく、役柄を自分に引き寄せる」という彼女のアプローチこそが、梨央というキャラクターに血の通った命を吹き込み、視聴者から大きな共感を集めた最大の理由にほかならない。
テクニカルに感情を操作するのではなく、役の核心をつかむまで必死にもがく吉高のひたむきさが、作品にリアリティをもたらすのだ。
©TBSスパークル/TBS
そして、本作を語るうえで外せないのが、吉高と松下の圧倒的な演技の噛み合いだ。梨央の初恋の相手でありながら、事件の真相を追う刑事・大輝を演じた松下は、濁りのないひたむきな愛情を、吉高演じる梨央へと注ぎ続けた。吉高自身も「松下さんは自然な温もりがある人で、一緒にお芝居していて本当に面白かったです。現場では構えることなく、心をオープンにして新鮮な反応をしてくれる」(第110回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 受賞インタビューより)と話している。
追う者と追われる者でありながら、誰よりも互いを最も理解し合う元恋人同士。その相反する関係性が生み出す張り詰めた空気感は、2人の役者が役に誠実に向き合うことで初めて成立するものだ。後に吉高と松下は、大河ドラマ「光る君へ」(2024年)で再共演を果たし、「やっぱり絵になる2人」と称された。
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「役柄を自分に引き寄せる」というスタイルで積み上げてきた彼女のキャリアは、これからどんな人物を生み出していくのか。その答えは、今後届く作品の中にあるだろう。
文=HOMINIS編集部











