月組・礼華はる 王としての"矜持"と人間としての"葛藤"を体現した主演作「雨にじむ渤海(26年月組・バウ)」

俳優

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■王の威厳から人間らしさまで、礼華はるが見せた確かな表現力

前半では、誰も寄せ付けない冷徹な王として感情を極力表に出さず、孤高の王としての威厳と、誰も信じられない孤独を静かな表情で体現する。一方で、セウォンとの穏やかな時間を重ねるにつれ、わずかな笑みや視線の柔らかさ、声色の変化が積み重なり、閉ざされていた心がゆっくりとほどけていく過程を自然な流れで描き出している。

王としての威厳と、1人の人間として見せる等身大の素顔。その対比を無理なく演じ分けたことで、終盤で自らの宿命を受け入れ再び王として立ち上がる姿にも大きな説得力が生まれた。決して感情を爆発させる芝居ではなく、細やかな表情や間の取り方といった繊細な表現で、人物の内面を浮き彫りにした礼華の演技は、本作における大きな見どころの一つといえるだろう。

彩海演じるセウォンも、悲しい過去を抱えつつも人を思いやる温情を失わない役柄を好演。陰を背負ったインソンとの対比が作品に温かな彩りを添え、乃々れいあも気高さと芯の強さを兼ね備えた王妃を品格高く演じてみせた。

■着実に歩みを重ねる礼華はるの現在地

本作に続き、礼華は今春上演された「RYOFU」「水晶宮殿(クリスタル・パレス)」に出演。さらに2026年9月には東急シアターオーブで上演されるミュージカル「NINE」にも名を連ねており、月組期待の男役として着実に歩みを進めている。

宝塚バウホールという親密な空間だからこそ際立つ、ひとりの王が辿る孤独と再生の物語。礼華が魅せる丁寧な役作りと、月組が誇る確かな芝居力を存分に味わえる1作として、8月の放送であらためて注目したい。

文=HOMINIS編集部

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