早瀬と大きな関わりを持つことになるのが、公認会計士の幸後一香。早瀬に手を貸し、顔を変える段取りも担う彼女だが、敵か味方かは分からない。一香はつかみそうでつかめない"何か"を抱えており、その"何か"が物語の大きな鍵を握ることになる。
そんな一香を演じるのは、戸田恵梨香だ。戸田は一香をどこかミステリアスに演じているが、秘密が明かされた際に見せる人間味で一気に距離が縮まる。では、彼女は一体どんな人間なのか。胸の奥にどんな想いを秘めているのか。そこに宿るのは"正義"なのか、それとも"悪"なのか――。観る者に「もっと知りたい」と思わせる深みのあるキャラクター像を、戸田が圧倒的なグラデーションで表現している。
リブート前の早瀬を演じているのは、現在放送中のドラマ「Tシャツが乾くまで」でも話題の松山ケンイチ。柔和で家族とスイーツをこよなく愛する早瀬は、いつも温かな光をまとった明るい人物だ。だからこそ、家族と別れの挨拶をする第1話のシーンは、涙なしに観られない。
息子の拓海(矢崎滉)に犯人を捕まえる決意を語り、溢れ出る悲しみを必死に抑えながらも、全身全霊の愛を込めて抱きしめる松山の演技は、あまりにも切ない。彼の見せた凄まじい哀愁と覚悟があるからこそ、その後の過酷な運命が一層ドラマチックに際立つのだ。
物語が二転三転する「リブート」。予測不能なサスペンスの面白さはもちろん、実力派たちが魅せる圧巻の芝居は、一瞬の隙すら与えない圧倒的な没入感を生み出している。まさに息をのむ大傑作だ。
文=浜瀬将樹











