©1999 「梟の城」製作委員会
物語には、重蔵を追うかつての仲間・風間五平(上川隆也)や、五平の許嫁でありながら重蔵への思いを捨てきれない木さる(葉月里緒奈)も登場。重蔵と並ぶ腕を持ちながら、伊賀を捨てて武士としての出世を望んだ五平と、忍者として生きる道を選んだ重蔵。対照的な2人の生き方が、秀吉暗殺をめぐる物語にいっそうの緊張感を加えていく。
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中井は重蔵を、ただ寡黙で腕の立つ忍者としてではなく、感情を表に出さない抑えた佇まいで演じている。伊賀を滅ぼされた過去と、忍者として生きる覚悟。その両方を抱えた人物像を、容易には本心を明かさない表情や、動き出すまでの静けさに重ねていく。若き日の中井の端正な佇まいに加え、視線や間合いによって重蔵の緊張感を伝える演技が印象的だ。
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一方の鶴田は、立場や思惑を簡単には明かさない小萩を、表情の変化や視線の置き方によって見せていく。任務を背負った警戒心と、重蔵への関心。その2つが交錯する小萩の複雑さが、表情のわずかな変化から伝わってくる。柔らかな表情の奥に本心を隠し、相手を探るような視線を見せる小萩には、つかみどころのない謎めいた魅力がある。
抑えた存在感を放つ重蔵と、つかみどころのない小萩――その佇まいの対照が、敵か味方か分からない2人の関係に緊張感を与えている。
互いの正体や思惑を探りながら、それでも惹かれ合ってしまう危うさは、2人の関係を印象づける要素のひとつだ。言葉少ない重蔵に宿る寡黙な色気と、柔らかな表情の奥に本心を隠す小萩の謎めいた魅力――対照的な2人が、相手を完全には信じられないまま距離を縮めていくところに、この恋の切なさがある。











