2024年に配信されたNetflixシリーズ「地面師たち」のハリソン山中や、映画「キングダム」シリーズの麃公役など、個性的なキャラクターを好演し、役柄によって異なる印象を残す豊川悦司。そんな彼が、人の命を救う鍼医者と悪を闇に葬る仕掛人、二つの顔を持つ男を演じた映画「仕掛人・藤枝梅安」二部作(2023年)の第一作が、11月2日(月)に時代劇専門チャンネルで放送される。
©「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社
豊川演じる藤枝梅安は、腕の良い鍼医者でありながら、"蔓(つる)"と呼ばれる裏稼業の元締から依頼を受け、生かしておいては為にならない者たちを闇に葬る冷酷な仕掛人でもある。
その二面性が際立つのが、豊川の手元の演技だ。普段は治療のために針を打つ手が、仕掛けの場面では、相手の隙を突いて急所を狙う鋭い手さばきを見せる。その対照的な動きが、梅安の相反する顔を鮮やかに浮かび上がらせる。子どもの頃から池波正太郎による原作のファンだったという豊川は、梅安を演じるにあたり、医師としての姿を丁寧に描くため、本格的な鍼の指導も受けたという。
■豊川悦司が梅安というキャラクターの魅力を語る「役者冥利に尽きる、素晴らしい役でした」
また、梅安の相棒で、仕掛人でもある楊枝作りの職人・彦次郎を片岡愛之助が演じている。梅安と彦次郎の距離感が垣間見えるのが、梅安が思いを巡らせる場面だ。人の命を救う鍼医者でありながら、仕掛人として人の命を奪う。そんな矛盾に葛藤を抱える梅安に対し、彦次郎は人間とはそういうものだと応じ、善と悪を単純に分けられない人間のありようを淡々と語る。2人の抑制された佇まいが、作品に独特の味わいをもたらしている。











