コラムニスト・吉田潮が「家政婦のミタ」を再考!罪悪感と覚悟が裏テーマ

「家政婦のミタ」より
「家政婦のミタ」より

異色の家政婦ヒロインが話題を呼び、最終回には40%を超える視聴率を記録するなど、社会現象となった「家政婦のミタ」。平成の大ヒット作の魅力を再考してみた。

凄腕家政婦が問題のある家庭に派遣され、奇抜な手段ですべてをまるっと解決...そんな単純な物語ではない。このドラマの裏テーマは"罪悪感と覚悟"だ。

主人公は無表情で無愛想だが、仕事は完璧な家政婦・三田灯あかり(松嶋菜々子)。決して笑わず、寸分の隙も見せず、無理難題も「承知しました」と抑揚なく受諾。業務命令とあらば、人も殺しかねないという奇天烈な設定だ。

晴海家政婦紹介所の所長・晴海(白川由美)から派遣された先は、母を突然の事故で亡くしたばかりの阿須田家。上は高校生から末は5歳、4人の育ち盛りの子供を抱え、疲労困憊した父・恵一(長谷川博己)の依頼だった。

子供たちはそれぞれが母の死に責任を感じて、自分を責めている。喪失感とともに罪悪感を抱えている。亡き妻の妹・うらら(相武紗季)は頻繁に訪れるも、やることなすこと裏目に出て、迷惑しか掛けない超ドジッ娘。義父・義之(平泉成)も高圧的で、恵一は頭を悩ます。いや、悩みはそんな表面的なことではなく、もっともっと深い罪悪感にある。

無表情の三田がぼそっと発する「承知しました」というセリフも話題に

大きな山場は2つだ。恵一が 号泣しながら父親の覚悟のなさを白状、弱音ダダ漏れでダメ男っぷりを見せつけた第3話。相当のダメ男だが、心の中で共感した男性は多いと思う。それくらい男の戸惑いと本音を馬鹿正直に漏らした稀有な場面だった。

もうひとつは第8話。三田の一人語りの場面だ。抱える凄絶な過去と罪悪感を、淡々と語る姿には思わず落涙。子役たちもまたうまいんだ、泣きの演技が。

どんな言葉も事象も、毒と皮肉を盛って説明できる三田のセリフにも注目。アンブローズ・ビアスの「悪魔の辞典」のようで胸がすく。

よしだ・うしお●'72年生まれ。ドラマ好きのコラムニスト兼イラストレーター。週刊誌や新聞でテレビ・ドラマ評を執筆。時々テレビにコメンテーターとして出演。著書「くさらないイケメン図鑑」など著書多数。ネコ2匹と同居中。

文=吉田潮

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放送情報

家政婦のミタ  一挙放送
放送日時:2020年6月13日(土)15:00~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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