作品ごとに新たな魅力を放つ!坂口健太郎が話題ドラマで見せた「静」の演技

柴咲コウが主演した、日本テレビ系ドラマ「35歳の少女」。同作は、不慮の事故から25年後に目を覚まし、体は35歳ながらも心は10歳のままという主人公・時岡望美を演じた柴咲の演技が絶賛され、SNSでも大きな話題を呼んだ。

そんな同作では、柴咲演じる望美の初恋の人で、望美が25年後ぶりに目覚めた世界で生きる希望を与えて彼女を支えた広瀬結人役・坂口健太郎の存在感も光った。結人は望美の幼なじみで初恋の相手。一度小学校の教師となるものの、ある事件を機に退職する。自分への自信のなさの反動で、他人には上から目線で批判的という「痛い」性格を持っていたが、覚醒した望美との再会を機に、自分自身を見直していく。そして、望美に対する新たな思いが芽生え始める...。

一筋縄ではいかない複雑なストーリーの中の難役を、坂口は独特な表現力で見事に演じきった。特に、最終回でほとばしる自分の思いを望美に告白するシーンは、多くの視聴者の胸を打った。ネタバレになるのでここには書かないが、感動的な場面になっている。

「35歳の少女」より

(C)NTV

雑誌「MEN'S NON-NO」の専属モデルとして活躍していた坂口は、2014年に映画『シャンティ デイズ 365日、幸せな呼吸』で俳優活動をスタート。以降、俳優として順調にキャリアを重ね、TBS系ドラマ「コウノドリ」、NHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」などに出演。2017年には、映画『64-ロクヨン- 前編』『64-ロクヨン-後編』での演技が評価され、第40回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞している。

2019年には、フジテレビ系「シグナル 長期未解決事件捜査班」で連続ドラマ初主演。過去の事件で心に傷を負い、警官でありながら警察はもちろん、他人を信用していないという屈折した主人公を演じた。

「35歳の少女」での演技にも通じるのだが、俳優としての坂口を見ていて感じられるのは、「引きの美学」ともいえるような、相手役を引き立てる極めてナチュラルな芝居の質の高さである。坂口は、ヒロインの相手役を演じたらピカイチだし、2番手や3番手の役柄でもじつに魅力的なのだ。繊細で、「静」の演技を得意とするタイプに感じられ、「シグナル-」では、そんな抑えた演技がうまくハマり、主役でもしっかり実力を発揮していた。

ドラマ「35歳の少女」で演じた結人は、ある時は幼なじみとして、時には家庭教師として、または恋人として、柴咲演じる望美を支え続ける存在。坂口の「受け」の芝居がしっかりしているからこそ、柴咲の演技がより輝いたのではないだろうか。

坂口は、作品を重ねるたびに新たな魅力を見せてくれる、稀有な俳優の1人なのである。

文=渡辺敏樹(エディターズ・キャンプ)

この記事の全ての画像を見る

放送情報

35歳の少女
放送日時:2021年4月24日(土)11:00~
チャンネル:日テレプラス ドラマ・アニメ・音楽ライブ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物