コラムニスト・吉田潮が語る、中村倫也主演ドラマ「珈琲いかがでしょう」の魅力

「珈琲いかがでしょう」より
「珈琲いかがでしょう」より

オフィス街や住宅街に、不意に現れる移動珈琲店。穏やかな笑顔で、極上の珈琲を提供する男・青山一はじめ。彼と出会った人、彼の珈琲を飲んだ人は、自然と憂いや胸のつかえが消える。カウンセリング効果は抜群。ただし、彼には後ろ暗い過去がある模様。右手をグローブで隠す理由はいったい何なのか......。

多彩な役を演じ分ける中村倫也が主演したこのドラマ、タイトルから「ほっこりイケメングルメもの」と思われがちだが、全力で否定しておく。前半は現代人が抱える嫉妬や悪意、虚無感や無力感とどう付き合うか、一種の発想の転換術だ。ゲスト出演の俳優たちのキャラクターがリアルだし、せりふはいちいち胸に刺さって腑に落ちる。ここでの中村は、女性の心をくすぐる子犬顔癒やし系に徹している。

ところが物語が進み、青山の過去が明らかになると、一気にVシネマ級の任侠バイオレンスモノへ。のっけからノワール要素全開で引っ張るのが、謎の男・杉三平(通称・ぺい)を演じた磯村勇斗だ。執拗に青山を追う姿は不気味だが、なぜか憎めない。暗い目をした金髪の中村と、実は純朴な磯村の兄弟愛も見どころのひとつである。

移動珈琲店の店主を中村倫也が演じた
移動珈琲店の店主を中村倫也が演じた

他にも、青山の珈琲のとりこになって、青山に巻き込まれていくOLの垣根志麻(夏帆)、青山に執着する極道の三代目(宮世琉弥)、青山に珈琲の魅力を教えたホームレスのたこ(光石研)、たこの初恋の女性(市毛良枝)などが登場。青山を軸にした人々の過去を手繰り寄せながらの展開。全8話だが、1話が2つのエピソードで構成される回も。

テンポよく緩急がついた映像には美学すら感じる。唯一の難点は見たら無性に珈琲が飲みたくなることだ。

文=吉田潮

よしだ・うしお●'72年生まれ。ドラマ好きのコラムニスト兼イラストレーター。週刊誌や新聞でテレビ・ドラマ評を執筆。時々テレビにコメンテーターとして出演。著書「くさらないイケメン図鑑」など著書多数。ネコ2匹と同居中。

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放送情報

珈琲いかがでしょう
放送日時:2021年10月28日(木)3:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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