競技かるたに青春をかける高校生たちの姿を描き大ヒットした映画『ちはやふる』シリーズ(2016~18年)が、日本映画専門チャンネルで3月5日(土)より3週連続で放送される。同作は、今年、末次由紀による原作漫画が連載開始から15年を経て完結することも発表され、再び注目を集めている。
主人公は広瀬すずが演じる千早(ちはや)。子供の頃からかるたに夢中の彼女は、都立高校に入ると、部員を集めて競技かるた部を作ろうと奔走する。そこに集まってきたのは幼なじみの太一(野村周平)、呉服店の娘で古典文化を愛する奏(かなで/上白石萌音)、千早や太一と幼い頃にかるたで競っていた"肉まんくん"こと西田(矢本悠馬)、ガリ勉の"机くん"こと駒野(森永悠希)。千早は4人の仲間と共に団体戦に挑み、自分の力やチームワークに課題を抱えながらも都大会、そして全国大会へと進んでいく。千早は勝ち進むことで、もうひとりの幼なじみであり福井に住む新(あらた/新田真剣佑)に再会したいと願っていた。かるた永世名人の孫で類まれな才能を持つ新も地元でチームを組み、ついに全国大会の場で千早と太一と新の3人は顔を合わせる。
奏が「なんという美人の無駄遣い」と嘆くほど美しいがかるたバカの千早をめぐって新と太一が繰り広げる三角関係にも注目。千早への気持ちは恋だと自覚している太一に対し、新は千早をどう思っているのかが、なかなかはっきりしない。その千早は新へ思いを寄せているがもともと恋愛には鈍感で、新の周りには、かるたクイーンの詩暢(しのぶ/松岡茉優)や同じ福井の高校の後輩で準クイーンの伊織(清原果耶)もいるので、不利な状況だ。それでも時折、新が見せる男らしさや優しさが千早をノックダウンし、太一は新には敵わないとコンプレックスを抱え続ける。
かるたの試合のシーンでの演技を超えた強さ、天才らしい余裕と空気感、親しい人に向けるピュアなまなざしと温かい声。役との共通点を探すというより、自分を消し完全にその役になりきる新田らしいアプローチは、既にこのシリーズで発揮されている。役柄によって声質を変えるなどのテクニックがあることも、新役と他の出演作を見比べると気づくはずだ。ここから始まった新田の快進撃を今、改めて振り返ってみよう。
文=小田慶子
放送情報
ちはやふる −上の句−
放送日時:2022年3月5日(土)10:30~ほか
ちはやふる −下の句−
放送日時:2022年3月12日(土)10:30~ほか
ちはやふる −結び−
放送日時:2022年3月19日(土)8:20~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
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