沢口靖子の演技が「科捜研の女」に与えた絶大な効果を解説!

長澤まさみ、浜辺美波らを輩出した「東宝シンデレラ」オーディションの第1回でグランプリに選ばれ、以降、数々の映画やドラマに出演するほか、NHKの大河ドラマや朝ドラのヒロインを務めるなど国民的大女優の1人である沢口靖子。そんな沢口の代表作の1つが1999年から続く人気ドラマシリーズ「科捜研の女」だろう。

(C)東映

同ドラマは、沢口演じるする京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊マリコが仲間たちと共にDNA鑑定や画像解析などを駆使して事件の真相を解明する姿を描いたもので、1999年10月のSeason1から2022年10月放送開始予定のSeason22までスペシャルや劇場版をはさみながら23年続く人気シリーズ。

これほどまでに長寿となった秘けつを探るべくSeason1を見返してみると、驚きの結末と真実が明らかになる爽快感、マリコのひらめきとそれを支える科学捜査、登場人物たちのキャラクターや人間模様といったストーリーの面白さももちろんなのだが、何より沢口の演技が作品の魅力の大きな部分を担っている。

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まず驚きなのは、マリコの人物像が現在とは大きく変わっており、かなり人間味あふれるキャラクターとして描かれていることだ。科学捜査という面では特異な天才的才能を発揮するのだが、普段は嫉妬深くてわがまま、ズボラですぐにムキになるといった性格で、現在の冷静沈着でクールなマリコとは似ても似つかない。もちろん、23年という時間が経っており、マリコ自身も"大人"になっているため変化していない方がおかしいのだが、それを踏まえた上でも想像以上に違っている。

沢口はそんなマリコを圧巻の演技で人間臭く創出。そして、マリコの人間性の部分をきめ細やかに表現することで、仕事モードの時とのギャップを際立たせてより作品に厚みをもたらしている。さらに、視聴者に「あんなに天才的なひらめきをみせるのに、普段はそんな感じなの?」と感じさせることによって親近感が湧くキャラクターとして命を吹き込むなど、キャラクター作りによって作品に絶大な効果を与えている。また、『普段』モードのマリコはくるくると表情が変わりコミカルで、観ていてクスリとさせられる小休止のような役割も果たしており、それによって緊張と緩和を生み出して小気味良い抑揚を作り出している。

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『仕事』モードと『普段』モードを演じ分けながら、同じ人物らしさは損なわずに説得力を持たせている芝居はさすがとしか言いようがない。加えていうと、あの美貌であるが故にコミカルな三枚目の芝居は少しのズレでうそっぽく映ってしまうため、綱渡りのような微妙なバランスをとり続ける必要があるのだが、なかなかどうして、"面白味""おかしみ"として見事に武器にしており、初回を見ただけでマリコのことを好きになってしまう。

現在の知的でクールで何事にも動じない"大人"なマリコも魅力的だが、沢口の演技で彩られた23年前の"若い"マリコの魅力にも触れると、より現在のマリコの良さに気付けるだろう。ぜひ人気シリーズの人気たるゆえんの核の部分に触れてみてほしい。

文=原田健

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放送情報

科捜研の女 season1 第1話(無料)
放送日時:2022年8月7日(日)17:00~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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