阪神タイガース・原口文仁 復帰後5試合目でのサヨナラ安打に「スカパー!サヨナラ賞」

セ・リーグ阪神タイガース 原口文仁選手が、6月度の「スカパー!サヨナラ賞」を受賞した。この賞は、その月の全サヨナラ試合の中で、最も劇的なサヨナラ打を放った選手を称えたもの。

6月9日、阪神甲子園球場で行われた対北海道日本ハムとの3回戦、3対3で迎えた9回裏2死1、3塁の場面で、大病からの復帰後5試合目の原口文仁選手に代打指名。1塁走者が2塁へ進塁後、原口選手は、センターへ安打を放ち勝負を決めた。

インタビューに答える原口選手

――受賞の感想を一言。

「本日はこのようにたくさん集まって頂きありがとうございます。初めての賞を頂いて、とても嬉しい気持ちと、今後に向けてすごくモチベーションの上がる賞を頂いて感謝の気持ちでいっぱいです」

――スカパー!の視聴者に一言。

「日々たくさんの応援をもらっているので、ホントにありがたい気持ちですね」

――9回サヨナラという場面で打席が回って来たが、どういう心境だった?

「その前の回で一度ネクストバッターサークルに立って、同点に追いついた時にこれはサヨナラの時に回って来るなと。そう自分でイメージしながら裏で準備していたので、イメージ通りの打席というか。その緊張感の中で絶対打ってやろうという強気の気持ちで迎えられましたね」

――矢野監督のコールは原口選手の気持ちの中にハマった。

「はい、その通りです」

――日本ハムファイターズのピッチャーは秋吉投手。セ・リーグの時に対戦経験のあるピッチャー。

「そうですね。少し苦手としていたピッチャーなんで、そこは意識しました。だけど、打席に立ったら自分のやるべきこと、スイングのことを考えて打席に入りました」

――ある程度狙い球とか、その辺りのイメージは?

「特にそこまで狙い球というのは無かったんですけど、ツーアウトだったので、絶対(ランナーを)返したい、食らいついていく気持ちで打席に入りました」

――まさに狙い球だった。

「いや、上手く対応出来たっていう感じですね」

――打球がセンターへ。そのときの気持ちは?

「センターは西川(遥輝)選手で、それも頭に入っていて、ちょっとライナー気味で飛んだので、どうかなっていう不安な気持ちと、落ちてくれという願いで走って」

――サヨナラの瞬間、甲子園球場が一体となった。

「僕自身走っているときは、落ちてくれっていう無我夢中の気持ちで走っていたので、歓声というのはちょっと耳には入って来なかったんですけど、落ちてという願いだけでしたね」

――お立ち台で発した言葉。"最高"という言葉が非常に多かったが。

「本当に最高の場面でした」

――今年の1月以降、色んなことが半年間の中に原口選手の中にあった。やはり思いというものはお立ち台の中に?

「そうですね。そのお立ち台でみんなの前で喋らせてもらった事を一つの目標にしてやって来ました。早い段階でその目標は叶えられたので、すごく嬉しかったですね」

――あの日、野球好きな人が阪神タイガースだけではなく、サヨナラ、そして原口という名前を印象付けたのではないか。

「そうなってくれたらすごく嬉しいことですし、こうやって戻って来られて、一軍の舞台で活躍するということが多くの方々に励みになる。そう思ってやって来ていたので、すごく幸せに感じていますね」

――今の原口選手の言葉が、色んな方の励みになる。

「僕は野球でしか表現出来ないので、野球がやれてることにすごく幸せな気持ちで出来ている。そういう気持ちをプレーでなんとか表現して、たくさんの人に届けて行きたい」

――チームでは5月に高山選手(※「高」は正しくは「はしご高」)がサヨナラ満塁でサヨナラ賞、続いて6月は原口選手。阪神タイガースは、勝負強い。

「そうですね。チームとしても嬉しいことだと思うんですけど、その場面でたまたま僕だったというだけで、その後に選手全員の頑張りがありましたし。こうして代表として選んで頂いて嬉しい気持ちです」

――その後、東京ドーム、そして甲子園でもホームラン。豊橋ではタイムリーヒットも。

「良い流れが来ているので、その流れの中でなんとか結果を残してチームの勝利に少しでも貢献できるようにやって行きたい」

――打席に立つ前のルーティンワークは?

「緊張して心拍が上がるので、とにかく深呼吸をなるべく多くできることを心掛けています」

――緊張しやすいタイプ?

「しますね(笑)。常にドキドキしてます。終わってみたら、肩が痛い(笑)。意外とプレッシャー感じてないかなぁと思っても、身体に反応が出ますね」

――昨シーズン、今シーズンとチャンスで打席が回ってくる。特に代打での勝負強さを感じるが、試合中はどのような準備を?

「ゲームの展開だったり、流れによって動き出す時間が違うんですけど、まずしっかり身体を温める。それから、素振り。それらが良い結果に繋がると思って、準備はしっかりできている」

――遠征の移動ではどんなことを?

「新幹線の移動が多いので、好きな映画を観たり、音楽を聴いたり」

――最近見た映画は?

「『ワイルド・スピード』ですね。アクション系が好きです。テンション上がって全然眠くならない(笑)」

――最後に。ペナントレースは後半に入ったが、今後の目標とファンに一言。

「チームは少し苦しい状況ですけど、チーム一丸となって一つ上のチームを追い越して、どんどん上位の方に食い込みたい。まだまだ諦める試合数では無いので、一つ一つ目の前の試合に集中して。そして、ファンの方々にはすごく熱い声援を貰っているので、チームもすごく嬉しい気持ちでやっている。ファンの皆様に応えられるように頑張って行きたいです」

※月間スカパー!サヨナラ賞とは
月間を通じて最もインパクトのあるサヨナラ打等を放った選手に贈られる賞として2012年に制定。「試合終了最後の1球まで真剣勝負をお届けするスカパー! 」から多くのファンに、プロ野球中継最大の魅力を伝えることができ、それがプロ野球界発展の一助となると考え、本賞へ協賛。
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