もう一人は現役最年少棋士の藤本渚五段。四段になったのは2022年の10月のため、2023年度が実質的な初年度となった。そこからは大活躍で加古川青流戦で優勝、順位戦でもC級1組へ昇級、王位リーグや王座戦本戦にも入って奮闘中だ。勝率は0.8500(51勝9敗)。痛かったのは新人王戦の決勝三番勝負第3局で、勝ちに近付いた局面からの大逆転負けだった。結果的にはこの1敗で新人王を逃すだけでなく、最高勝率も逃している。3月まで可能性はあったが、王位リーグで佐々木大地七段に敗れて記録更新の目がなくなった。
藤本の今2023年度の記録は①中原誠②藤井聡太③中村太地に次ぐ歴代4位の記録。年度の勝率としては藤井がわずかに上をいき、2023年度の勝率1位賞は藤井となった。戦うステージが上がっていく2024年度以降はより勝つのが大変になっていく。この成績で勝率1位賞を取れなかったのは不運というほかない。勝率は厳しくとも上位に行くことは間違いないので、次はタイトル挑戦に期待したいところだ。
文=渡部壮大
放送情報【スカパー!】
連日一挙放送 藤井聡太特集
放送日時:4月16日(火)~4月30日(火)10:00~
放送チャンネル:囲碁・将棋チャンネル
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