ビートたけしが人生の"はじめて"に挑戦！特別インタビューをお届け！

バラエティ番組のMC、俳優として長年テレビで活躍。映画監督、小説家としても精力的に作品を発表しているビートたけし。そんなカリスマ的存在のたけしが、人生で経験したことのない企画に体当たりチャレンジする「はじめてのたけし」が、特番の放送を経て、BSスカパー! でレギュラー放送スタート。

'17年8月放送の特番「はじめての食堂のオヤジ」では厨房で料理にチャレンジ

－特番の収録（「はじめての食堂のオヤジ」'17年8月放送）では、下町の庶民的な食堂で厨房に立ち、たけしさんが料理しているとは知らないお客の注文に応えました。カツ丼、カルボナーラ、サバの味噌煮、麻婆豆腐、オムライスなど、料理してみていかがでしたか？

いや、あのときは久々に笑ったね。パニックになっている自分がおかしくて。本番前にある程度、料理の段取りを確認したつもりだったけど、いざ注文が入ると、パニックになるんだよね。「カルボナーラ」という注文が入ったのに、そこにアサリがあったからついアサリを酒蒸しにしちゃった。それじゃカルボナーラじゃなくてボンゴレだよって(笑)。「サバの味噌煮」はもともと大好物で、日本一うまいと言われる寿司屋でメニューにないのに作ってもらったこともあるぐらいなのに、自分で作って出すときには、ショウガを細かく切るのを忘れていた。

－たけしさんはもともと料理をなさるんでしょうか？

いや、普段はほとんどしないけれど、唯一、料理らしいことと言えば、寸胴鍋にスープを作ってストックしているね。鍋に野菜とか肉を入れて煮込み１週間、毎日火を入れて、それをこしてはまた水を足していく。良い牛肉を４枚ぐらい入れるから、スープが良い色になるんだよ。そのスープをカレーにも使うし、けっこう重宝している。

－レギュラー化したこの番組では、どんなことに挑戦してみたいですか？

「カート」の運転をやってみたいって言ったんだけど、危険だということでNGに。だから、初回は「食堂のオヤジ」ってどうかなと言って、それが通ったんだよね。他には、そうだな...。温泉宿のマッサージ師とか理髪店のオヤジもいいんじゃない？　美容室でお客さんに熱いタオルを当てたりしてさ。それも危険過ぎるか(笑)。

#1、#2ではゴルフの「エイジシュート」に挑戦する

－一般の人にはたけしさんがやっていると分からないのが、この番組の面白いところですが、ご自分ではどんな感覚でしたか？

特番の時は、厨房にいてお客さんには顔が見えていないのが、楽しくてしょうがなかったね。しかも、客観的に見てしまうというか、そんなシチュエーションにいる自分を、ちがう自分が見ているんだよ。味見してみて「味がちがう！」ってパニクっている自分を笑う自分がいる。あまりにも笑ったから腹筋を使ったらしくて、腰から下に巻いたエプロンが脱げちゃったんだよ。このまま続けていったら、そのうち、パンツ一丁になっちゃうんじゃないか(笑)。

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－この番組のように、地上波でも芸人やタレントがアポなし取材や体当たりの挑戦をする番組が人気です。そこにバラエティの原点があるのでしょうか？

やっぱり何かに挑むのは面白いよね。お笑いっていうのは"落差"が大事だから、ある程度売れた芸人がやったほうが面白いかもしれない。そう考えると、やっぱりこの企画をやることにした「俺はえらい」ってことになる(笑)。海外に行くと、映画監督の北野武と、「風雲！たけし城」('86年～'89年TBS系)のビートたけしは、違う人だと思われている。そういう落差が面白いわけだから、映画の「アウトレイジ」（監督・出演作）を見てから、この番組を見てもらうといいだろうね。番組で俺が何げなく包丁持っている姿も恐ろしく見えるかもしれないよ。

PROFILE
●びーと・たけし
'47年1月18日生まれ。東京都出身。漫才コンビのツービートとして人気を博し、「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」('85年～'96年日本テレビ系)など、数々のヒット番組を生み出す。「ビートたけしのＴＶタックル」('89年～テレビ朝日系)など出演番組多数

取材・文＝小田慶子
写真＝尾木司

※この記事はヨムミル！ONLINEの転載になります。

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