17年ぶりの再結成 NUMBER GIRLの足跡

NUMBER GIRL
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2019年2月15日、2002年に解散したNUMBER GIRLの「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO」出演が発表された。たちまちSNSでもアーティストやロックファンが歓喜し、その後もツアーや追加公演などの発表のたびに話題を集め、リスナーはチケットの当落結果に一喜一憂するなど、熱狂は今もなお続いている。

解散から17年。ミリオンセールスを記録したわけでもなければ、武道館バンドでもなかったNUMBER GIRLが、なぜ今もこれだけ人々を夢中にさせるのか。主な理由は7年間という僅かな活動期間での濃度と、既存のオルタナティブロックを覆す前衛的な表現力だ。

■得体の知れない凄まじいもの

1995年に福岡県福岡市にて結成。メンバーは向井秀徳(Vo&Gt)、田渕ひさ子(Gt)、中尾憲太郎(Ba)、アヒト・イナザワ(Dr)。

1998年に上京し、米国でのライブも成功させる。その翌年の1999年5月にシングル「透明少女」でメジャーデビュー。2ヶ月後にフルアルバム『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』をリリース。ソニック・ユースやピクシーズといったオルタナティブロックや、ジャパニーズハードコアの影響を感じさせると同時に、4人の個性がぶつかり合う一触即発的なひりひりとした緊張感が襲い掛かるサウンドは、世界規模で見ても異端だった。ロックファンたちはその「得体の知れない凄まじいもの」にたちまち虜になっていったのだ。

その後もバンドは精力的にライブとリリースを続け、海外レコーディングなどを行い音楽性を研ぎ澄ませていった。だが2002年に急遽バンドは解散を発表する。ベーシストの中尾憲太郎が脱退を希望し、メンバー及びスタッフで協議した結果「この4人でNUMBER GIRLである」という共通の意思が強かったため、という理由だった。

上り調子と言って申し分ない状況のなかで突然の解散――その潔い散り方はバンドを「伝説」にする決定打としては充分すぎた。

■若い世代にも多大な影響を与えたロックバンド

リアルタイムで彼らの音楽を聴いていた世代に影響を及ぼしただけでなく、解散後にASIAN KUNG-FU GENERATION、凛として時雨、星野源、きのこ帝国、VOCALOIDクリエイター/ヒトリエの発起人であるwowakaなど、様々なアーティストが多大なる影響を受けていると公言していくことで、若い世代にまでその存在は知れ渡る。

硬質で鋭利なギターと、殺伐としつつも気魄を感じさせるリズム隊は、憤りや不安、焦燥感だけでなく、繊細で透明感のある感傷性をクリアに表現する。時代を越えて愛され続けたのは、若者特有の感性をディープに落とし込んでいることも大きな理由のひとつだろう。

エムオン!では、過去に彼らが出演した番組を3ヶ月連続で放送する企画「NUMBER GIRL IN MY HEAD」が6月からスタート。2ヶ月目となる7月は、当時の彼らのライブや音楽への意気込みを強く感じられる貴重な映像がオンエアされるとのことだ。再始動を目前にする7月に、これらの放送で興奮を高めてみてはいかがだろうか。

文=沖さやこ

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放送情報

NUMBER GIRL再結成記念! 「NUMBER GIRL IN MY HEAD -マキシマム! features special NUMBER GIRL-」
放送日時:2019年7月8日(月) 22:15 ~
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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