2020年から秦基博のライブにサポートメンバーとして参加しているシンガーソングライターのシンリズムさん。共演した経験を踏まえて、ミュージシャン視点から秦基博の歌、楽曲の魅力を分析してもらった。
■バラードだけではなくキャッチーな作品も多い
シンリズムさんが秦基博のライブにサポートとして参加したのは2020年のアルバム『コペルニクス』のツアーだった。新型コロナウイルスの影響でツアーは中止となったが、同年11月に無観客での配信ライブを開催。
「『コペルニクス』はエレキギターを使わず、シンセサイザーを多用したアルバムでした。でもツアーでは過去の曲も演奏するのでエレキギターが必要でした。エレキだけではなく、シンセやコーラスワークもできる人が必要ということで、パーカッションの朝倉(真司)さんが僕を秦さんに紹介してくれたんです」
そんな出会いをしたシンリズムさんが秦の音楽に興味を持ったのは2013年のことだった。
「アニメ『宇宙兄弟』のエンディング曲のキャッチーなメロディーに惹かれました。それが秦さんの『グッバイ・アイザック』だと分かり、過去の曲を遡って聴きました。秦さんはバラード系の曲が多い印象がありますが、明るい曲も結構あります。僕は『花咲きポプラ』や『キミ、メグル、ボク』にハマりましたね」
いちリスナーからステージでの共演者となったことで、気付いたことを聞いてみると。
「楽曲の良さも、歌声の素晴らしさも分かっていましたが、一緒にやってみて分かったのは、ライブのMCが面白いということ。リハーサルでも秦さんがおどけて、朝倉さんたちが乗っかって場を和ませるんです。そんな人柄の部分も秦さんがファンの方に好かれる理由なんだなと思いました」
15周年記念の横浜アリーナでのライブにもサポートで参加。
「『コペルニクス』のライブではシンセや小物も演奏しましたが、15周年ライブではエレキギタリストとして任された感じでした。"いい演奏をしないと"というプレッシャーもありましたが、こんなに大きな会場で演奏できるのも貴重なことなので緊張感もありつつ楽しみました」
この15周年ライブの放送が決定。見どころとして「水無月」「トレモロ降る夜」の2曲を挙げてくれた。
「『水無月』はライブの終盤で披露されることが多く、お客さんと一体になれる曲。コロナ禍で声は出せませんが、事前に募ったファンの声をライブの演出として使って一体感を作り上げています。『トレモロ降る夜』はアップテンポな曲ですが、この日はおしゃれなバーで聴くようなボサノバアレンジで演奏しました。アレンジが違っても、メロディーが強固だからこそ楽曲の良さが際立つんだなと改めて感じた楽曲です。ライブでは歌詞や繊細な歌い回しをより感じられるので、そこに注目していただきたいです」
しんりずむ●1997年生まれ、兵庫県出身。シンガーソングライターとして活動するほか、秦基博のライブツアーではギター・キーボードサポートなどとして参加。
取材・文=田中隆信
放送情報
秦 基博 15thAnniversary LIVE “BAND LIVE”
放送日時:2022年4月3日(日)19:00~
チャンネル:WOWOWプラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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