約3年7ヶ月ぶりのニューアルバム! "挑戦し続ける思い"が感じられる宇多田ヒカルの魅力

2月23日(水)、宇多田ヒカルの8枚目のアルバム『BADモード』がリリースされる。大ヒットした映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のテーマソング「One Last Kiss」、多くの人を感動させたTBS系金曜ドラマ「最愛」の主題歌「君に夢中」、中村倫也主演の日本テレビ系日曜ドラマ「美食探偵 明智五郎」主題歌「Time」、"brand SHISIDO"グローバルキャンペーン「POWER IS YOU」のキャンペーンソング「Find Love」、ゲームソフト「KINGDOM HEARTS Ⅲ」オープニングテーマソング「Face My Fears」、"サントリー天然水"CMソング「誰にも言わない」、アニメ「不滅のあなたへ」主題歌「PINK BLOOD」...。すでに発表されている楽曲を並べてみるだけでも、そのフレーズやメロディが頭に浮かぶおなじみの楽曲ばかり。約3年7ヶ月ぶりのオリジナルアルバムということで、このアルバムの中にはその間の時間がギュッと凝縮されているのが感じられる。アルバムのための新曲として作られた、タイトルチューンでもある「BADモード」をはじめ、「気分じゃないの(Not In The Mood)」「Somewhere Near Marseilles ―マルセイユ辺り―」は最新の宇多田ヒカルが感じられ、聴いていると、現在、そしてこれからの未来へと繋がっていくような感覚になる。

そして、このニューアルバムのリリースを記念して、MTVで「宇多田ヒカル VideoSelects歌詞付きVer.」の放送が決定。最新アルバムのタイトル曲「BADモード」のMVも赤いライティングが印象的な作品となっているが、どのMVも楽曲のテーマにリンクしているので、歌詞の意味を考えながら楽しめる。

宇多田ヒカルがCDデビューしたのは1998年12月。デビューシングルの「Automatic/time will tell」はダブルミリオンのビッグヒットとなり、1999年3月にリリースされた1stアルバム『First Love』は売上枚数765万枚を超え、日本国内の歴代アルバムセールスランキング1位を記録した。アップテンポな「Movin' on withtout you」、アルバムからシングルカットされたバラード「First Love」など楽曲の幅も広く、"R&B"とカテゴライズされることもあったが、宇多田の楽曲はそんな枠や既存のスタイルに収まるものではなかった。続く2ndアルバム『Distance』、3rdアルバム『DEEP RIVER』も大ヒットを記録し、リリースごとにアーティストとしての個性・存在感をしっかりと示していった。

2004年、日本武道館で5日間公演を成功させ、同年秋には世界へ進出。Utada名義でアルバム『エキソドス』を発表した。2009年にも2度目の世界進出を試み、『ディス・イズ・ザ・ワン』を発売し、全米ビルボード総合アルバムチャート19位にランクイン。ポップアルバムチャートでは2位を記録している。

2010年8月、メジャーデビューから約11年が経過したところで、翌年以降のアーティスト活動を止めて"人間活動"に専念することを宣言。音楽シーンも流行の推移が速く、活動を休むということはトップアーティストとはいえ勇気と大きな決断が必要だったと思われる。しかし、15歳から走り続けてきた宇多田にとって、この"人間活動"は次の展開への重要な休息・充電期間であり、ここで休んだからこそ、今も自分のペースで創作活動ができているのだろう。

再始動したのは2016年の春。NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の主題歌「花束を君に」をリリース。9月には6枚目のアルバム『Fantôme』を発表し、オリコンランキングで4週連続1位を記録。この結果からも多くの人が待ち望んだ再始動だったことがうかがえる。

それ以降の活動は、冒頭でも触れたように、最新アルバム『BADモード』に集約されている。このアルバムをリリースするにあたって、長いキャリアの中で初めて行ったことがある。それは自身初の有料配信スタジオライブ。ロンドンの名門レコーディングスタジオ"Air Studios"で収録したライブを1月19日に全世界に向けて配信。新しいアルバムの収録曲の大半をライブパフォーマンスで披露することも宇多田にとっては初めてのこと。その"挑戦し続ける思い"は、ニューアルバムにもしっかりと反映されている。

文=田中隆信

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放送情報

宇多田ヒカル VideoSelects 歌詞付きVer.
放送日時:2022年2月13日(日)17:00~、16日(水)20:00~、24日(木)19:00~
チャンネル:MTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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