柴那典がロックバンド・[Alexandros]の進化について語る!「今の時代のスタジアムロックをやっている印象を受けましたね」

13(水)に4年ぶりのオリジナルアルバム『But wait. Cats?』をリリースする[Alexandros](アレキサンドロス)。リリースを記念して、スペースシャワーTVで特番が放送される。そんな彼らの音楽性とスタイルについて、柴那典さんに分析してもらった。

音楽ジャーナリストの柴那典
音楽ジャーナリストの柴那典

■今はまた新たな一歩を踏み出す時期

13(水)にニューアルバム『But wait. Cats?』をリリースするロックバンド、[Alexandros]。デビュー12周年を迎えた彼らの音楽性について、柴那典さんはこう語る。

「魅力を端的に言うと、"今、日本で最もスタイリッシュなロックバンド"。熱量と洗練さを併せ持つことで、ロックバンドとして唯一無二のスタイルを手にしているように思います。1990年代のオアシスに代表されるUKロックの王道的バンドに彼らの音楽的ルーツがありますが、作品を重ねるごとに音楽性が変わっていき、海外にはない日本ならではの畳み掛けるような疾走感を持ったロックバンドとして進化してきた感じがします」

特にここ最近の楽曲を聴くと、UKロックの影響を受けた骨太さに日本人独特の繊細さが加わり、新しい世界観を持つバンドへと成長したことに気付く。ターニングポイントとなった時期はいつだったのだろうか。

「[Alexandros]に改名した2014年。ダンスミュージック的な要素を取り入れた大ヒット曲『ワタリドリ』。そして、その曲を含む2015年発売のアルバム『ALXD』以降、1990年代的なバンドの方法論だけでなく、スケールの大きな、今の時代のスタジアムロックをやっている印象を受けましたね」

そしてもう一つ、2018年11月リリースのアルバム『Sleepless in Brooklyn』を挙げた。

「今のニューヨークの空気を踏まえた上で、日本のバンドとしてどんなポップミュージックを作るかという、彼らが新しい時代に即したサウンド感をアップデートした作品。盛り上がり一辺倒ではない、オシャレなムードの曲もここで確立しています」

そんな変遷を経てきた彼らの"最新"の姿がよく分かるのが、7 月にリリースされる新作アルバム収録の楽曲たちだ。

「今はまた新たな一歩を踏み出す時期に入っています。新作に入る『閃光』『Rock TheWorld』『無心拍数』はどれもストレートにエネルギッシュさを表現していて、その勢いに"少年性"も感じられます。王道のロックバンドのかっこよさを再び高らかに鳴らす作品になるのではないでしょうか」

洗練さを保ちながらも、原点回帰といえる熱いロックを聴かせる。ここから新しいフェイズに突入していくに違いない。

しば・とものり●1976年生まれ。ロッキング・オン社を経てフリーに。著書に「初音ミクはなぜ世界を変えたのか」(太田出版)、「ヒットの崩壊」(講談社現代新書)、「平成のヒット曲」(新潮新書)など。

取材・文=田中隆信

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放送情報

V.I.P. ―[Alexandros]―

放送日時:2022年7月13日(水)19:00~
チャンネル:スペースシャワーTV

[Alexandros]「But wait. Cats?」最速視聴会!

放送日時:2022年7月16日(土)22:30~
チャンネル:スペースシャワーTV

[Alexandros]MUSIC VIDEO SPECIAL

放送日時:2022年7月16日(土)21:30~
チャンネル:スペースシャワーTV
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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