天井の梁に登れなくて両手を広げてピョンピョンと飛び跳ねたり、肩を脱臼したフリをしては痛い痛いとわめいたりと、とても武侠アクションの主人公とは思えない雲襄のコミカルなシーンが随所に散りばめられている。チェン・シャオがこれまでの作品で見せてきた精悍なイメージとはギャップがありすぎる軽妙な演技が楽しい。
そんな雲襄が持ち前の頭脳を活かして相手を出し抜いていく。第1話の冒頭で強盗と対峙するシーンでは、冷静に相手を観察して正体を見抜き、指一本触れることなく危機を脱する。武芸に頼らずとも雲襄の格好良さが伝わるクールな導入だ。
賭博場でターゲットと対峙するシーンでも、相手のイカサマを見破って表情を変えることなく反撃に出るなど、頭脳を活かした見せ場ではチェン・シャオの大人の色気がしっかりと感じられる。そして、その裏では肉親の命を奪った仇への復讐心に隠し持っている二面性も。コミカルな表情を見せる一方で、ストーリーが進む中で露わになってくるシリアスな復讐心とのギャップも彼の魅力の一つだ。
雲襄の代わりに武闘シーンを引き受けるのが、美しく武芸に長けたヒロイン・舒亜男。「30女の思うこと ~上海女子物語~」(2020年)のマオ・シャオトンが、雲襄のピンチに駆けつけ、ワイヤーを使ったド派手なアクションでフィジカルな見せ場を作っていく。
他人にはなかなか本心を見せない雲襄が舒亜男の美しさに目を奪われる場面など、彼女の前では軽妙な知略家とは違った一面を覗かせる。一方の舒亜男も、梁に登ることすらできない鈍くさい雲襄に呆れつつも、先読みの能力に長けた彼に少しずつ惹かれていく。そんな2人のロマンスも本作ならではの見どころだ。
放送情報【スカパー!】
ユン・シャン伝 ~江湖 復讐の嵐~
放送日時:2024年7月18日(木)23:00~
※毎週(月)~(金)23:00~
※7月7日(日)21:00より第1話先行放送あり
チャンネル:チャンネル銀河 歴史ドラマ・サスペンス・日本のうた
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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