「太陽の末裔」級の完成度！パク・ヘジン史上もっともミステリアスな魅惑のスパイ役

韓国ドラマにおける2021年最大のヒット作との呼び声高い「ヴィンチェンツォ」。本作でマフィアの顧問弁護士というクールなダークヒーローを熱演したソン・ジュンギへの注目度は日増しに高まり、彼が過去に出演した大ヒットドラマが改めて再評価されるまでに至っている。

特に、「シークレット・ガーデン」(2010年)や「相続者たち」(2013年)のキム・ウンスクとキム・ウォンソクが脚本を手がけ、ソン・ジュンギの魅力が最大限に引き出された代表作と言えば、「太陽の末裔 Love Under The Sun」(以下、「太陽の末裔」)。除隊後の復帰作でもあり、その精悍さをそのまま体現した軍人ぶりはもとより、ソン・ヘギョと繰り広げるノンストップロマンスは素晴らしい完成度だった。そんな「太陽の末裔」のスケール感を継承している作品こそ、10月5日(火)からTBSチャンネル1で放送される「マン・ツー・マン ～君だけのボディーガード～」(2017年)だ。

「太陽の末裔」のキム・ウォンソクが脚本を務める本作は、国家情報院内部でも少数の上級幹部しか存在を知らないエリート諜報員のコードネーム：K(＝キム・ソル)と、彼が警護するスター俳優のマネージャー、ドハとの危険な恋の行方を描くロマンティック・スパイアクション。

「太陽の末裔」と同様、放送日ギリギリまで撮影することが珍しくない韓国ドラマ業界では珍しい100％事前制作というシステムが導入されており、ハンガリーのブダペストでロケを敢行。エキゾチックな街並み×スパイアクションという映画さながらの映像美の中で繰り広げられる、壮大なスケール感のラブロマンスであるという点もポイントだ。

主演には、「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」(2016年)で"ユ・ジョン先輩シンドローム"を巻き起こしたばかりのパク・へジンを起用。国家機密のミッションを遂行するため、素性を隠しながらボディガードをするという難役でありながら、ユ・ジョン先輩以上にミステリアスなムードを漂わせ、女性たちの心を揺さぶる魅力的なスパイとして物語を盛り上げている。

その端正なルックスから、ヘジンはもともとポーカーフェイスの完璧男というキャラクターが良く似合う。本作でもスラリとした長身で黒のスーツ姿をスマートに着こなしており、相手の心の内まで見透かしそうな鋭い眼光と類まれな知性で、任務完遂率は100％というパーフェクトな諜報員・ソルに扮している。

さらに今回は、ボディガード対象の人気俳優ヨ・ウングァン(パク・ソンウン)の気まぐれな言動に振り回されたり、彼のマネージャー、ドハ(キム・ミンジョン)からは警戒心剥き出しにされたりと一筋縄ではいかない任務の様子をコミカルに演じている。

彫刻のように美しいへジンの顔をくしゃりと歪ませる絶妙な表情はドラマの良きスパイスに。またへジンはガンアクションやカーアクションなど本格アクションにも挑戦しており、スナイパーのように銃を構える姿には、コミカルなシーンから一転、ドキドキさせられること必至だ。

加えて第9話には、顧客として銀行を訪れたソルをソン・ジュンギ扮する銀行員が対応するというファンには堪らないコラボも！そのほかにも、本作を手がけたイ・チャンミン監督の前作「リメンバー～記憶の彼方へ～」に出演した名優ナムグン・ミンら、豪華なカメオ出演も実現しており、どのシーンも一瞬たりとも見逃せない。

昨年は「インターンは元上司！？(原題：コンデインターン)」でMBC演技大賞を受賞したヘジンだが、次作もMBCドラマ「今から、ショータイム！(原題)」の主演が予定されている。40歳を目前にベテランの域に差し掛かった今も、役の幅を広げ、年齢を重ねたからこその色気と深みが増しているだけに、今後の活躍がますます楽しみだ。

文＝津金美雪

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