「雲が描いた月明り」のキム・ユジョン、現代ラブコメでも目を惹きつける「天真爛漫なヒロイン像」

オソルはいまどきのモテファッションをしているわけではないが、気取らず飾らず、いつも真っすぐ前を向いている――ソンギョルやハインの目に映る彼女も、本当にキラキラと輝いていて、彼らが恋に落ちてしまう気持ちがよく分かる。変顔も厭わない等身大のヒロインは、パンツ姿の弟を怒り狂って追いかけ回したり、酔い潰れて醜態を晒したり、完璧ではないからこそ共感し応援したくなる。

手袋と消毒剤が手放せないほど極度の潔癖症ゆえに、他人と触れ合うことすらできない孤独なソンギョルは、新進気鋭の俳優ユン・ギュンサンが演じた。クールな実業家ながらコミカルな一面も見せ、そのギャップがたまらない。一方、謎の男ハインには、「太陽を抱く月」での寡黙な護衛官役も人気を集めたソン・ジェリムが起用された。ユジョンとは再共演となるジェリムが演じるハインは、オソルを陰からそっと見守る癒し系男子だ。

そんなタイプの異なる2人のイケメンと、ずぼらなオソルが繰り広げる三角関係も本作の大きな見どころ。"掃除"というテーマを通して、自身の悩みや人生と向き合い、現状を打破していこうとする彼らの前向きな姿には、ときめきと同時に元気をもらえるはずだ。

ほかにも、オソルの弟・オドル役として、「Sweet Home －俺と世界の絶望－」(2020年)や「五月の青春(原題)」(2021年)など若手注目株のイ・ドヒョンが存在感を発揮するほか、"掃除の妖精"として脇を固めるイケメン軍団ら、物語を彩る個性派キャラも楽しい本作。現代ラブコメでもキュートな笑顔を振りまくユジョンの魅力に注目しながら、ときめきに溢れた恋の行方を見守りたい。

文＝中川菜都美

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