
――おふたりのお話を聞いて、人間っぽいフキと、正義の人ボタンという印象を受けました。おふたりはどちらのキャラクターに近いですか?
日笠「私、完全にフキだ」
戸松「私もフキ」
日笠「感情に素直というか、楽しいものは楽しいし、怒るときは怒るみたいな」
戸松「日笠って怒るの?想像できないかも」
日笠「他人にぶつけてもしょうがないなと思ってるから、相手に怒りをぶつけないというか、とりあえず1回寝かせちゃうかも。ただ、1回寝て、まだ怒ってたら"あ、これは本当に怒っているんだな"と思うようにして、感情的にならないように工夫しながら伝えるかな。どちらかというとコンコンと詰めちゃうタイプ。そうやって考えると、怒りに関してはボタンのほうが近いかもしれない」
戸松「私は完全に怒りの出し方もフキだよ(笑)」
日笠「最近怒ったことはある?」
戸松「旦那さんが、悪い意味でも良い意味でも影響されやすい人なんだけど、私が"ちょっと頭痛いかも"って言ったら"俺も頭痛い"ってマネしてきて。本当にしんどかったから"マネすんなー!"って怒っちゃった。あまりにも私が体調悪い時に、向こうも体調悪くなるという状況が続きすぎたから」
日笠「もう、そんなに怒れるってことは、もはや戸松は元気だよね(笑)」、
戸松「そうね。頭が痛くても、それだけ怒れるエネルギーがあるっていうのはね。そういう意味では、今回ボタンを演じていて、"このぐらいの冷静さが欲しいな"って思っちゃいました」

――非常に長きに渡り愛されてきた『モノノ怪』シリーズ。作品に携わって気づいた、その魅力を教えてください
日笠「今回のお話をいただくまで、『モノノ怪』を見たことがありませんでした。ただ、独特な色使いと雰囲気はビジュアルからだけでも伝わってきていたので、もしもハマったら抜け出せなくなりそうなちょっとした畏怖のようなものを感じていましたね。今回、自分が作品の中に入っても、本当にその通りで、その感覚は間違ってなかったなって思いました。それに、恐るべきパワー、引力を持った作品だな、と。主題はありつつも、そこにプラスしていろんな描きたいものがいっぱい周りにくっついている感じも奥深いなと思いましたし、監督の脳内ってどうなってるんだろう、人がこれを描けるんだって思いました」
戸松「私もアニメをやっていた頃から、存在は知っていました。なので、日笠と同じように、お話をいただいた時にまず色使いやビジュアルが浮かんできましたね。実際、関わらせていただくようになってからは、本当に深い世界すぎて、おそらく掘り下げようと思ったら、いくらでも掘り下げられるんだろうなと感心しました。実際、今回第二章まで来て、まだまだ気になるポイントがたくさんある内容になっていますし、色鮮やかな世界観の裏に描かれている人間の心理、心のちょっとダークな部分がすごくリアルで。見た目とのギャップのすごさに改めておもしろさを感じました。1人1人の登場人物にフォーカスしてみても、掘り下げきれないと思いますし、たぶん何回見ても、新しいおもしろさがある作品になっていると思います。ぜひ細部にまで注目して観てほしいです」
取材・文・写真=於ありさ
日笠陽子 衣装:CASANE
映画情報
『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』
2025年3月14日(金) 公開
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