蒼井翔太が『うたいびと』に込めた思い、「伝えたい」気持ちを歌声に乗せて

声優や俳優、そしてアーティストとしても活躍する蒼井翔太。彼の初オンラインライブ「蒼井翔太 ONLINE LIVE at 日本武道館 うたいびと」が3月6日に東京・日本武道館で開催された。自身二度目となる日本武道館公演は、歌とピアニストの伴奏だけで構成した、これまでとは全く違うアプローチのステージとなった。そして、全曲ノーカット収録の本編に加え、舞台裏ドキュメント映像を含めたライブの特別版が、4月17日(土) にTBSチャンネル1でTV初放送される。今回、蒼井にインタビューを行い、「うたいびと」というタイトルに込めた思いなどを聞いた。

――今回の公演を終えての感想をお聞かせください。

「2020年に『蒼井翔太 LIVE 2020 WONDER lab. DIMENSION』というライブツアーを企画していましたが、残念ながらコロナ禍で中止になってしまいました。この1年、歌の活動で皆さんに会えない時間が増えたことをファンの方々がとても残念がってくれたのと同時に、僕自身も皆さんに会いたいという気持ちがすごく膨らんでいたんです。だからこそ、この1年ちょっと会えなかった時間の中で、僕たちが大きくしていった『通じ合いたい、伝え合いたい、ぶつけ合いたい気持ちを絶対に全部出し切るんだ』という思いでステージに上がらせていただきました」

――ライブのコンセプトについてお聞かせください。

「今回、皆さんと会えない期間がすごく長く感じたこともあり、自分の人生を救ってくれた歌や音楽を通して、皆さんに伝えたいという思いがとても強くなったんです。その時に『伝える』というキーワードを大前提で考えた時、自分の声や歌を全面的に皆さんにお届けしたい、なるべく音や動きの数、ステージの作り込みも極力減らしてシンプルな歌を届けたい、と思ったのが始まりです。タイトルには『歌でお伝えしたい』『うたいびと・蒼井翔太を見ていただきたい』という気持ちを込めています」

――セットリストの選定にもご苦労されたと思います。

「めちゃくちゃ大変でした。でも、曲を選んでいる時間はすごく楽しかったです。今回、ステージでピアノを弾いてくださった、工藤拓人さんにアレンジをお願いしたんですけれど、工藤さんは日頃からジャジーなピアノを弾かれる方なので、今回のライブではその要素をいっぱい取り入れたいとお願いしました。その中で『どんな曲がジャジーに生まれ変わったなら、みんながハッとしてくれるのか』というものを選曲しました。今までのライブだとリリースされたばかりの新曲を中心にお届けするんですけど、今回は改めて生まれ変わった13曲をお届けすることができました」

――皆さんにぜひ聴いてもらいたいという曲はありますか？

「蒼井翔太という人間が一番伝わりやすいのは、僕が作詞・作曲した『I am』だと思います。今まで生きてきて感じたことを紡いだ、僕の人生を知っていただけるような曲になっています。また、今回のセットリストの中で一番印象的にしたいと思ったのが『愛のささめきごと』という曲です。蒼井翔太として初めてレコーディングした曲でもあり、ファンの皆さんの中では『隠れた名曲』と言っていただいています。だからこそ今回、思いきり前に出してあげたいという思いがありました。僕自身もこの楽曲のテイストが大好きで、印象的にするために工藤さんのアレンジにも頼らせていただき、それにプラスできるものはないかと考えたのが冒頭の独唱だったんです。いろいろな方のいろんな歌唱を聴いて、自己流に勉強させていただきました。愛に生きる力強い女性がテーマの楽曲なので、僕からの皆さんへの愛もすごく込められたかなと思いました」

――舞台裏ドキュメント映像についてもお聞かせください。

「僕が『うたいびと・蒼井翔太』になろうとしている姿を撮っていただいています。今回の舞台裏ドキュメンタリーは、1つの映像作品として作り上げたいというのが僕の願いでもありました。撮影していただいたのは、皆さんに蒼井翔太を知っていただくきっかけをいただいたということでもあり、すごくありがたく思っています」

――2017年のライブツアー「WONDER lab. 0」、2019年のライブツアー「WONDER lab. I」の模様も放送されます。

「『WONDER lab. 0』の両国国技館ライブでは、日頃から抱いている皆さんへの思いを衣装に投影させていただいたり、高さおよそ10mにもなるリフターに乗って高い場所で歌わせていただいたり、すごく見応えがあると思います。そして『WONDER lab. I』のタイトルの『I』は一人称の『I』で、蒼井翔太という人間をしっかりと知っていただくことができるライブになっています。また、ダンスパートにも初めて挑戦しているので、ぜひ楽しんでほしいです」

文＝中村実香　撮影＝中川容邦

ヘアメイク：山本隆太
スタイリスト：ヨシダミホ
衣装協力：amok

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