――和也の言動でドキッとした瞬間や、キュンとした場面は?
「和也の言動でもありますが、『タイミングもすごいな!』っていうところですかね。千鶴と麻美ちゃんのカラオケにたまたま気付き、歩道橋まで追いかけ、千鶴の一番カッコいいところを聞いているのって本当にポイントが高いなって!視聴者的にも『今の千鶴の発言は聞いていてほしい!』って思うし、私的にも千鶴の大好きなシーンでもあるので、そこに居合わせる和也にキュンとしました(笑)」
――墨ちゃんと同じくらいの年齢の時の思い出を教えてください。
「高校を卒業してすぐに声優の養成所に入ったので、声優業界についていろいろ学んでいこうという時期でした。大好きな声のお仕事に関して学べる環境にすごくわくわくしていて、『毎日これを続けていけば声優に一歩ずつ近づけるんだ』と本当にキラキラしていましたね。
一番最初に参加させていただいたアニメ作品では、これから夏休みになるというシチュエーションで、どんな予定かを話しているモブの一人の役でした。せりふとしては「うちも家族旅行!」という一言だったのですが、当時『一言のせりふでも何パターンも考えていきなさい』と教わっていたこともあって、『この一人称はもしかしたら関西出身かもしれない...』などいろいろ考えてしまって...。今となっては『モブに過剰な個性はいらん!』って思うんですけど、当時は考え過ぎていましたね(笑)」
――今年はデビュー10年目ですが、現在の心境は?
「デビュー1年目の頃から『初心忘れるべからず』という言葉を常に意識していたんですけど、振り返ってみると『10年間思い続けることってできるんだな』と。"変わっていいこと"と"変わらないでいたいこと"への判断を続けながら、お仕事をいただけることへの感謝や、もっともっと上手くなりたいという向上心は、今でも持ち続けられているかなと感じています」
――10年を振り返って"成長できたところ"は?
「『その現場で求められていることを一緒に考えていっていいんだな』という感覚を学べました。ディレクションをいただいたり、指示をいただくと、つい『できていないんだなあ...』とか『私って駄目なんだな』って思ってしまいがちなんですけど、それは『作品をもっと良くしたいから』とか『もっとこういうものを聞いてみたいから』という前向きなものなんだというふうに捉えられたのは大きな変化だなと思っています。
そして、これからも引き続き各現場で『どういったものを作りたいのか』という共通言語探しというか、私の抱く印象とスタッフさん方の目指す先が同じ物を見つめられるように、いろいろ尽くしたいと思いますし、自分の感性を磨いていきたいなと思っています」
――逆に"もっと成長したいところ"は?
「新たな役柄への挑戦というのは常にあるのですが、10年間やらせていただいてきた中で、 ありがたいことに同じキャラクターを長く演じる機会に恵まれまして。そういった継続キャラクターの声色や考え方というものを、この先担当キャラが増えても忘れないよう、継続することの難しさに挑戦していきたいです」
――声優という枠を超えてさまざまな分野でご活躍されていますが、今後やってみたいことは?
「表に出ない仕事であれば、アニメの宣伝、プロモーションを考えてみたいです。自分が作品の楽しさを共有するのがすごく好きな性格なので、『こういうふうに伝えたらもっと届くんじゃないか?』とか、『こういうアプローチはどうか?』など、仲間と一緒に考えてみたいです!」
――最後にファンの方、視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。
「皆さまの応援のおかげで『彼女、お借りします』2期を迎えることができました。原作を読んでいる時から演じてみたかったあのデートが、もしかしたら2期では見られるかも?ぜひ墨ちゃんが紡ぐ言葉は聞き逃さないように!引き続き『かのかり』の応援、よろしくお願いいたします!」
文=原田健 撮影=皆藤健治
放送情報
彼女、お借りします #13
放送日時:2022年7月7日(木)21:30~
チャンネル:AT-X
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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