井上小百合が新たなチャレンジに胸ときめく「これまでと違う姿をお見せできる機会にわくわくしています」

――どのようなことを意識して演じようと思っていますか?

「まずは、光源氏が心からの愛を注がずにはいられなかった、紫の上の女性としての魅力を出していきたいなと思っています。ただ、それを歌と舞でどう表現するかという部分では、もっと努力しないといけない最大の課題ですね。そして、生霊のようになってしまう彼女の負の部分との幅が大きければ大きいほど伝わるものがあると思うので、逆算して最初の印象から大きく変わっていけたらと思っています」

――初挑戦となる詩楽劇に関してはいかがですか?

「普段立っているミュージカルとは全然違う歌い方や発声になると思うので、本当に努力しなければ...と。和楽器での音楽は、とても美しくて繊細で素敵です。その素晴らしさを損なわないようにしなければ、と思っています。でも、私って自分にハードルを設けるのが好きで、『これをどう乗り越えようか』と考えるのが楽しいので、稽古や練習が大好きなんです。たとえ壁にぶち当たったとしても、それは前に進んでいる証拠ですから、この作品に臨めることにわくわくしています(笑)」

――ポスターカットでは十二単を着てらっしゃいますが、着た感想は?

「率直に重さにびっくりしました。かつらも扇も重くて、全部がすごい重さで...(笑)。当時の女性が、これだけ重いのに凛として美しく過ごしていたということは、本当に努力をして、その美しさを作っていたんだなと感じて、『(美しくあるためには)私も頑張らないといけないな』と思いました(笑)。でも、なかなか着る機会もないので、着させていただいて光栄でしたし、ありがたい経験でした」

――紅ゆずるさんの印象は?

「とても素敵な方で、包み込むような優しさがあふれる方だなと思いました。光源氏に扮したお姿を見たら本当にカッコよくて同じ女性なのについ見とれてしまいました。誰もが魅了されてしまう光源氏として、すごく説得力があると思いました。ぜひ稽古では所作などを教えていただきたいです」

――最後に観劇にいらっしゃる方々、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。

「いろいろ幅広くやらせていただいていて、私のことを"演劇の人"とか"ミュージカルの人"と思われている方が多い中で、今作で"日舞の人"という、また違う顔をお見せできる良い機会だと思っています。役者としてとても大きな経験になると思いますし、自分自身でも楽しみです。また、このような日本の伝統文化に触れたことがない方々や、ハードルが高いと思っている皆さんにも、ご覧いただけるものですので、『普段観たことがない』という方にこそ、ぜひ足を運んでいただきたいなと思っています。物語としても、現代の私たちにも通ずる部分がたくさんありますので、多くの皆さまに観ていただきたいと思っています」

文=原田健
ヘアメイク=藤原羊二(UM)

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舞台情報

J-CULTURE FEST presents 井筒装束シリーズ 詩楽劇 『沙羅の光』 ~源氏物語より~
日時:2024年1月3日(水)~1月7日(日)
場所:東京国際フォーラム ホールD7

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