2013年に15歳で俳優デビューした広瀬すず。当時は明るく愛らしい笑顔が似合う役柄が多かったが、2023年公開の映画「水は海に向かって流れる」では、過去に味わった悲しい出来事により「私一生恋愛なんてしない」と終始不機嫌な"大人の女性"を演じ実力を見せつけた。
■まったく笑わない広瀬の演技
明るく元気な広瀬のイメージを大きく変えたのが、2016年公開の映画「怒り」。本作で事件に巻き込まれ心も体も傷つけられる少女・小宮山泉を演じ、広瀬の"陰"の魅力を存分に見せつけた。その後も、映画「三度目の殺人」(2017年)、ドラマ「anone」(2018年)、映画「いのちの停車場」(2021年)、映画「流浪の月」(2022年)などで、どこか幸せになれない女性を好演していたが、2023年公開の映画「水は海に向かって流れる」では、母親がダブル不倫の末、家を出て行ってしまったことで「恋愛なんてしない」と、どこか世の中を諦め、冷めた表情を見せる榊千紗を演じた。
26歳のOL千紗は過去の出来事を封印し、心を平穏に保とうと日々を過ごす。しかしそんななか、母の不倫相手となった男性の高校生の息子・直達(大西利空)が千紗の下宿先にやってきた。余計な感情を使いたくない千紗は、ほぼ無感情で直道に接する。理由が分からない直達は戸惑いを隠せないが、千紗はお構いなしで塩対応を続ける。
物語前半、広瀬はまったく笑わない。かといって怒りもしない。唯一笑顔を見せるのは、直達が拾ってきた捨て猫に向かって「君は幸せになれよ」と言ったシーンのみ。ある意味で能面のようで人間味がない。そんな千紗が、実は自身と同じ境遇である直達の心を理解していくことで、関係性が変化し、自身の心もほぐれていくさまが、物語の一つの見どころだ。
■"大人広瀬"を堪能!
放送情報【スカパー!】
水は海に向かって流れる
放送日時:9月13日(金)21:00~ほか
放送チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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