大人のお姉さんを演じる広瀬すずの芝居に時の流れを感じさせる、映画「水は海に向かって流れる」

年下の男の子をあしらう広瀬すず
年下の男の子をあしらう広瀬すず

(C)2023映画「水は海に向かって流れる」製作委員会 (C)田島列島/講談社

そんな千紗の心をほぐしていくのが大西演じる高校生の直達。千紗とは10歳程度違うが、どんどん千紗に惹かれていく。その思いを大人のお姉さんという立場でいなしていく千紗を演じる広瀬はとても新鮮だ。陰のある役はこれまでも演じてきたが、どちらかというと妹的なキャラが多く、今回のように年下から言い寄られる広瀬はあまり見たことがない。

しかも直達のことが好きな同じクラスの美少女・楓(當真あみ)から詰められた際「自分の恋愛がうまくいかないのを、人のせいにする女にはなるな」と言う姿は、"大人広瀬"が垣間見られる。少し前までは、當真が演じた楓のような立ち位置の役を演じることが多かった広瀬。時の流れを感じさせられるシーンだった。

劇中、終始"大人広瀬"が堪能できるからこそ、心が少しずつほぐれてきてから見せる"無邪気さ"がより際立つ。海で直達にドロップキックをする千紗の姿は、長い間感情を押し殺していただけに破壊力がある。

余談だが、2024年1月期のTBS日曜劇場「さよならマエストロ 〜父と私のアパッシオナート〜」で大西と當真は共演している。どちらも瑞々しくかつしっかりと感情を表現できる演技を見せており、今後の活躍が大いに期待できる若手俳優だ。

文=磯部正和

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放送情報【スカパー!】

水は海に向かって流れる
放送日時:9月13日(金)21:00~ほか
放送チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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