©「令和に官能小説作ってます」製作委員会
――現場で印象に残っている言葉や出来事はありましたか?
桃月「コンプライアンス的に使えない言葉が本当に多くて(笑)。実際にいただいた台本からセリフが変わることも結構ありました。このままいけると思っていたらNGが出て、別の言い回しに変わる、ということもあって。変更後のセリフがなかなか言えず、かなりリテイクを重ねました」
徳井「劇中でも、官能小説を作る上で令和のコンプライアンスと戦う姿が描かれていますが、実はその裏側の撮影現場でも同じように戦っているんです。編集部と作家が戦う物語と、台本を作る現場での戦い。ダブルで戦っているところが、この作品の面白さだと思います」
桃月「『どこまでがセーフなんだ?』と、私たち自身も台本を読みながら悩むことが多くて。『なぜこれはよくて、これはダメなんだろう』と考える場面は何度もありました」
――お二人とも、演じる役柄とご自身の共通点はありますか?
桃月「オタク気質なところは、かなり共通していると思います。話し方もデフォルトが早口なんです。ほかのドラマの現場では『もう少しゆっくり話してみようか』と言われることが多いんですけど、この現場では逆に『もっとテンポよく、もう少し早口で』と言われることが多くて。普段から早口なので全然苦痛ではなかったですし、むしろ『これくらいのスピードでしゃべっていいんですか?』というくらいのテンションでやらせてもらっていました」
徳井「玉川編集長は、エロスに対して本気で真面目に向き合っている人物なんですが、その点は僕自身とも重なる部分があります。普段、劇場などでいわゆる下ネタを話すことはありますが、品のない下ネタと、どこか品のある下ネタは違うと思っていて。ただくだらないだけのものは言わないようにしているんです。エロスや官能に対する向き合い方、リスペクトの気持ちは、玉川編集長と共通している部分かなと思います」
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――映像やSNSなど刺激の強いコンテンツが溢れている今、あえて"言葉で想像させる官能"を描くことに、どんな意味や面白さを感じましたか?
徳井「刺激の強いコンテンツが溢れ返っている現代で、さらにAI生成の"ちょっとエロいもの"まで出てきている。直接的な表現をすぐに見られる時代だからこそ、ひねりを利かせて、言葉から想像しないと成立しないものへのニーズも、一定数あるんじゃないかと思うんです。むしろ、言葉で想像させる官能のほうが、興奮度合いは高い気がしていて。想像できた瞬間にこそ、価値が生まれるんじゃないかなと思います」
桃月「すごい!編集長っぽいです(笑)。官能小説って、独特の言葉の言い回しが本当に多いですよね。『穴獄』や『淫獣』みたいに、そこでしか使われない言葉がたくさんある。普段あまり聞き慣れない言葉だからこそ、読んだ人それぞれが自分なりに想像するんですよね。もしかしたら、想像している内容は人によって全然違うかもしれない。それでも成立する、いろんな解釈が生まれるところが、官能小説の面白さの一つだと思います。同じ作品を読んでも、受け取り方はきっと人それぞれ違うんじゃないかなって」
――"想像できる余地"があることも、官能小説の大きな魅力だと感じました
桃月「そうなんです。官能小説って、"余白"があるものなんですよね。読者が想像するための余白がちゃんと残されている。だから、あまりにも直接的な表現になってしまうと、ティーンズラブだったり、別ジャンルの作品になってしまう。その余白があることこそが、官能小説の一番の魅力なんじゃないかなと思います」
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