北村匠海が新たなステージへ...「サバ缶、宇宙へ行く」と同様、キャリアと年齢を重ね、新たな役割を示した主演映画「愚か者の身分」の心揺さぶる熱演
俳優
NHKの連続テレビ小説「あんぱん」(2025年)で幅広い世代の心を掴み、フジテレビで放送中の"月9"ドラマ「サバ缶、宇宙へ行く」では地上波連続ドラマ初主演にして初の教師役に挑むなど、俳優として快進撃を続けている北村匠海。
両作とも、大きな夢に向かって奮闘する好感度の高いキャラクターが印象的だが、「あんぱん」放送直後の2025年10月に劇場公開された映画「愚か者の身分」(2025年)では闇ビジネスに手を染める青年役に体当たりで挑み、ダークな世界へと足を踏み入れている。
5月30日(土)にWOWOWシネマにて放送される本作には、北村匠海×林裕太×綾野剛という、異なる世代を代表する俳優陣が集結。第二回大藪春彦新人賞を受賞した西尾潤の同名小説を、Netflixシリーズ「今際の国のアリス」などを手掛けるプロデューサー集団・THE SEVENが初の劇場作品として映画化した。岩井俊二監督の助監督を長らく務め、人間ドラマを巧みに描くことに定評のある永田琴監督がメガホンを取り、裏社会に身を落とした若者たちの焦燥を描き出した。
(C)2025 映画「愚か者の身分」製作委員会
物語を牽引するのは、とある犯罪組織の手先として戸籍売買を行うタクヤ(北村匠海)と弟分のマモル(林裕太)、タクヤをこの道に誘った兄貴分的存在であり、運び屋の梶谷(綾野剛)。彼らの拠点である新宿・歌舞伎町から大金が消えた事件をきっかけに、3人が息もつかせぬギリギリの逃避行を繰り広げる。
タクヤとマモルは、SNSで女性を装い、身寄りのない男性たち相手に個人情報を引き出し、戸籍売買を行なっている。悪の道にどっぷり浸かっているタクヤだが、目をかけている弟分のマモルと肩を組んで歌舞伎町を歩いたり、手料理を振る舞ったり...。一緒にバカ騒ぎする表情は、ごく普通の青年だ。北村は仕草や佇まい、視線などささやかな表現からも、観る者にタクヤがどのような人生を歩んできたのかを想像させるような芝居を見せており、さすがの一言。北村がキャラクターにしっかりと血肉を与えているからこそ、どす黒い犯罪に巻き込まれていくタクヤの行き先に目が離せなくなる。
とりわけ肩にポンと置く手にも温かさがにじむなど、どのシーンからもタクヤがマモルに傾ける愛情が伝わってくるのが素晴らしく、タクヤを慕うマモルを瑞々しく演じた林の存在感も抜群。北村と林は撮影の裏側でも兄弟のように仲良く過ごしていたそうで、劇場公開時の舞台挨拶で北村が「懐いちゃってね」、林も「懐かせてもらいました」と笑顔を見せ合っていたのも印象的。重ねた時間や築いた絆が、タクヤ&マモルの姿に確かに息づいている。











