阿部顕嵐が初主演映画への思いを語る!「王道ではないストーリーが逆にいいかなって」

甲子園出場という破れた夢を引きずり、堕落したジャンクな日々を送る元高校球児のイチとハチ。彼らが、最強ヤクザと最恐の不良、さらにはポンコツ刑事にまで追いかけられる人生サイアクの1日を、時代&時制シャッフルを駆使したハイテンポでハイテンションなストーリーと演出で描く映画『ツーアウトフルベース』が、3月25日(金)に公開。同作で堕落の日々を送るもバンド活動を夢見てもがく元高校球児のイチに扮するのは、映画初主演となる阿部顕嵐だ。ハチ役を務めた若手実力派俳優・板垣瑞生と共に自然体の演技を披露した阿部に、インタビューを実施。作品にかける思いなどを聞いた。

映画『ツーアウトフルベース』で主演を務める阿部顕嵐
映画『ツーアウトフルベース』で主演を務める阿部顕嵐

――イチ役に抜擢された時のお気持ちを聞かせてください。

「昔から『映画の主演を務める』ことは、いつかやりたかった仕事のひとつだったので、ありきたりですが率直に嬉しかったですね。直感的に『初主演作がこの作品で良かったな』と思いました。アウトローな主人公で、かつ、バイオレンス描写が多いという王道ではないストーリーが逆にいいかなって。最近、邦画でもこういった作品は少なくなってきましたけど、僕は大好きなので」

――阿部さんご自身はどのような映画が好きなんですか?

「スリリングで刺激的な作品が基本的に好きですね。王道では『007』シリーズなどのスパイ映画とか、『ツーアウトフルベース』に通ずるようなガイ・リッチー監督やクエンティン・タランティーノ監督作品が好きです。タランティーノ映画は全作観ています。邦画だと黒澤明監督作は全部観ましたし、幅広く、いろいろな作品が好きですね」

――今回、何か役作りのためにしたことはありますか?

「5日間のファスティングに人生で初めてチャレンジしました。ちょうど撮影現場に入る5日前に鏡を見た時に、自分がすごく健康そうだなと思ったんですよね(笑)。もうちょっと荒んだ生活をしている感じに見えるようにしたいな、というところで水と酵素ドリンクだけで過ごしました。本当にきつかったんですけど、逆にその精神的なきつさが、外見的にも内面的にもイチの不健康な感じに繋がったんじゃないかなと思います。7ORDERとしての僕が頭にある方は『あれ?同一人物?』と思うかもしれませんね(笑)。監督ともいろいろ話をして、キラキラとか品といったものを消すことがひとつの課題でもありました。男臭いというか、泥臭い感じを目指していたので、髪の毛も根本はあえて黒いまま放置しましたし、セットもしませんでしたから(笑)」

――相棒のハチを演じた板垣瑞生さんの第一印象を聞かせてください。

「一番最初に会った時は、人見知りなんだな、という印象を持ちました。最初のシーンを撮り終えた時にも友達感はあったんですけど、まだ壁があるなと感じていて。でもそれ以降は撮影中ずっと一緒で、撮影後に一緒にお風呂に入りにいったのをきっかけに全く気を遣わなくなって、撮影とプライベート、どこが境目かわからなくなった瞬間が序盤で訪れました。撮影期間中は、どこからが自分でどこからが役なのかが、よくわからなくなったりもしていました」

――衣装にもこだわりが感じられる作品ですが、スタイリングに意見を出したりしましたか?

「最初は2人ともデニムだったんですけど、僕は大好きなレザーのパンツに変えてもらいました。TシャツもバンドTにしてもらったりと、僕の好みもかなり反映されていますね。企画プロデュースを担当されている新羅慎二さんと『絶対おしゃれな映画にしたいね』と、話しながら決めました」

――同じグループの諸星翔希さんとの共演についてはいかがでしたか?

「意外と僕はフラットに、意識せずに演じていましたね。撮影に入る前も特に話さずにいました。入る前に演技について話し合っていると、なんかズルいじゃないですか(笑)。撮影中に彼の出演シーンを観たんですけど、殴られるのがものすごくうまくて。『リアルな感じで殴られているな』というのが純粋な感想でしたね(笑)」

――主題歌は7ORDERの「レスポール」ですね。

「真夜中の2時くらいに車の中で初めて聞いたんですけど、めちゃめちゃ良かったんですよ。すっごくかっこよくて。新羅さんが仮歌を担当されていたんですけど『そのままでいいじゃん』って思いました(笑)。元々、どういう曲がいいか意見を出してとは言われていたんですが、何にも言えないくらい素敵な曲で。7ORDERとして歌えるのがすごく嬉しいですね。僕たちは普段、こういった感じの曲は歌っていなかったグループなんですけど、こういった機会で歌わせていただけることがすごく嬉しいです」

――俳優・阿部顕嵐としての目標を教えてください。

「最後は好きな人たちと、好きな作品を作るというのが目標です。そのためには、いろんな壁をたくさん乗り越えないといけないと思うので、頑張りたいです」

――今年で25歳を迎えますが、20代のうちに成し遂げたいことはありますか?

「いっぱいあります!映画には、可能な限り出演したいです。いろんな現場でいろんなことを吸収して、30歳になったら、なんでもできるようになりたいです」

――最後に映画の公開を楽しみにされている皆さんへメッセージをお願いします。

「こういうスカッとした映画は、他にはないと思います。いろいろ思い悩んでいる人、そして何も考えていない人も、何かのきっかけになる作品だと思うので、絶対観て下さい!」

取材・文=中村実香 撮影=皆藤健治

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放送情報

映画『ツーアウトフルベース』
2022年3月25日(金)より公開
https://twooutfullbase.com/

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