名将・岡田武史が夢を託したFC今治とは?

FC今治というチームをご存知だろうか。今や全国で人気となった今治タオル、『ゆるキャラグランプリ2012』チャンピオンに輝いたPRマスコットキャラクター『バリィさん』で知られる愛媛県今治市にあるサッカークラブだ。

1976年に大西サッカークラブとして生まれ、2012年『FC今治』に改名。同年、日本サッカーの最高峰・J1リーグで年間優勝したサンフレッチェ広島を天皇杯の2回戦で敗ると、「ジャイアントキリングを成し遂げたクラブ」としてその名を全国へ轟かせる。

岡田武史が地域リーグに所属するクラブのオーナーに

そして2014年、岡田武史氏が同クラブを運営する『株式会社今治.夢スポーツ』の株式51%を購入してオーナーに就任。あの「岡田武史」が、だ。 サッカーに詳しくない人でも彼を知る人は多いだろう。当時の日本代表を日本サッカーの悲願だった1998 FIFAワールドカップ初出場へ導いた人物。また2007年、イビチャ・オシム氏の急病によって急きょ日本代表の監督を引き受けると2010 FIFAワールドカップの第1戦から快進撃を続け、初めて決勝トーナメント進出を果たした。それだけではない。Jリーグでもコンサドーレ札幌、横浜F・マリノスで優勝に導いている。そんな彼が人口15万人強と、決して大きいとは言えない街の地域リーグに所属するクラブオーナーになったのだ。

就任後、岡田氏は「岡田メソッド」と呼ばれるプレーモデルの確立に取りかかり、幼少期からトップチームまでの一貫した体制を作り始める。四国リーグに属していたトップチームは、昨年『全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2016』で優勝し、JFL入り。今年1月には、将来Jリーグ入りを目指す『Jリーグ百年構想クラブ』の承認も得た。初めて参入したJFLのリーグ戦の序盤は得点力不足に悩み、ファーストステージ6位という結果になったものの、セカンドステージではJリーグへの昇格条件であるリーグ4位以内を十分狙える位置にいる。

『ありがとうサービス.夢スタジアム』がついに完成!

写真:日刊スポーツ/アフロ

「2025年までにJ1で常に優勝争いするクラブ」など高い目標を掲げる岡田氏は、サッカー専用スタジアム建設にも着手。報道によると、自ら市議会へ乗り込んで「自分達でお金を出すので、建設の承認をください」と交渉したそうだ。積極的な実行力で、市の協力を経て取りかかった『ありがとうサービス.夢スタジアム』は今のところ、JFL加盟条件の2,000人収容のスタジアムとなっているが、J3昇格の条件を満たす5,000人収容を見据えた構造になっている。今年8月20日に完成予定で、9月10日のホームゲームからホームスタジアムとして利用される。

我が地元にサッカークラブがある喜び

写真:YUTAKA/アフロスポーツ

Jリーグは、発足当時からスポーツ文化の振興を目的とした地域活性を目指す「百年構想」という理念を掲げてきた。発足当初からJリーグに参加しているクラブを応援している人達にはステレオタイプだと笑われるかもしれないが、サッカーを通して、今治という町を知ってくれる人が増える、訪れてみたいと思う人が増えることは地方創生において重要なミッションになるはずだ。地元を背負って戦ってくれる選手達の献身的なプレーには心を動かされるだろうし、例えば地元を離れて東京で暮らす中でのスタジアムの帰り道、後ろを歩くサポーターからネイティブな方言が聞こえた瞬間に感じる地元への思いは格別だ。一つずつは些細なことかもしれないが、サッカーや地元クラブがもたらしてくれる幸せや充実は計り知れないほど多いものだ。

今後、スタジアムではさまざまなドラマが生まれるだろう。サッカーが根付いているとは言い切れない土地で、多くの人を集め続けるのは大変なことかもしれない。だが、数々の夢を現実にしてきた「請け負い人」とともに、夢を見るのはきっと楽しいはずだ。周囲を驚かせ続けるFC今治が、どんなセンセーションを起こすのか? ぜひとも、彼らの挑戦に注目してほしい。

Writer:高本亜紀

※この記事はヨムミル!ONLINEの転載になります。

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放送情報

【生】 FC今治新スタジアム こけら落とし! JFL 2nd 第7節 FC今治 × ヴェルスパ大分

放送日時:2017年9月10日(日)12:50~

チャンネル:スカサカ!

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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