秋を迎え、いよいよフィギュアスケートシーズンが幕を開ける。平昌オリンピックで2大会連続の金メダルに輝いた羽生結弦、銀メダルを獲得した宇野昌磨らの動向が注目されるが、それ以上に話題を集めているのが、7月に4年ぶりの現役復帰を発表した高橋大輔(※「高」は正しくは「はしご高」)だ。
トリノ(2006年)、バンクーバー(2010年)、ソチ(2014年)と、オリンピックに3回出場し、バンクーバーで日本男子初の銅メダルを獲得した高橋。2010年の世界選手権、2012年のグランプリファイナルでは金メダルに輝くなど、長年、日本のフィギュアスケート界を引っ張ってきた。世界最高と称された華麗なステップ、観る者を引きつけるエキゾチックな表現力、そして度重なる故障を克服しての復活劇と、フィギュアスケートファンを魅了し続けたが、2014年10月に、惜しまれつつ現役引退を発表した。その後はプロスケーターとしてアイスショーに出演し、テレビのスポーツキャスターを務めるなどの活動をしていたが、昨年末の全日本選手権を見て、山本草太ら若い選手が個々の目標に向けて戦う姿に感動。自身のフィギュアスケート魂が再燃し、1シーズン限定で現役復帰を決意したという。
4年のブランクがあり、32歳というフィギュアスケートでは高齢での現役復帰は異例中の異例だ。今後は10月の近畿ブロック大会で上位に入り、11月の西日本選手権に出場、そこで12月の全日本選手権出場の切符をつかむというのが、復活ロードの青写真だ。厳しい道にはなるが、高橋には追い風も吹いている。今季からルール変更があり、男子のフリー演技時間は4分30秒から4分に短縮され、ジャンプの本数は8本から7本に削減、4回転ジャンプの同じ種類を2本跳ぶのは1種類のみと制限された。またエレメンツ(技)の出来栄えに関する加減点が7段階から11段階に増え、より質の高いジャンプ・スピン・ステップが求められることになった。エレメンツの質や完成度を重視する採点方法へとシフトされたこのルール改正は、表現力を重んじる高橋にとって有利に働くだろう。12月の全日本選手権に駒を進め、羽生結弦、宇野昌磨らと一緒に最終グループで優勝を争うことも決して夢ではないのだ。
元アイスダンサーで振付師の宮本賢二が、トップスケーターたちをゲストに迎えてトークを繰り広げる「フィギュアスケーターのオアシス♪KENJIの部屋」では、2014年に11月に放送したエピソードに現役復帰会見の模様を加えて再編集した「高橋大輔選手エピソード1~4 ~特別編~」を放送する。長期ブランクからの現役復帰という、異例の挑戦へスタートを切る高橋。果たして奇跡の復活劇は見られるのか、そのチャレンジロードから目が離せない!
Profile
1986年岡山県生まれ。8歳からフィギュアスケートを始め、2002年の世界ジュニア選手権で日本男子初優勝。バンクーバーオリンピック銅メダル、2010年世界選手権優勝など数々の実績を残した。現役復帰する今シーズンの使用曲は、ショートプログラムが坂本龍一作曲の「The Sheltering Sky」、フリースケーティングはジョン・グラント作詞・作曲の「Pale Green Ghosts(with the BBC Philharmonic Orchestra)」。
文=エンターバンク
放送情報
フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋 ~特別編~
放送日時:2018年9月4日(火)22:00~
チャンネル:J SPORTS 4
※9月11日(火)~山本草太エピソードスタート。
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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