アレクサンダー・ズベレフらによる世代交代に立ちはだかる錦織圭とベテラン勢

写真左から錦織圭、アレクサンダー・ズベレフ
写真左から錦織圭、アレクサンダー・ズベレフ

男子テニスは長年、BIG4と呼ばれる、ロジャー・フェデラー(スイス、37歳)、ラファエル・ナダル(スペイン、32歳)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア、31歳)、アンディ・マレー(イギリス、31歳)を中心に回ってきた。2004年から今年の全豪オープンまでのグランドスラム61大会中、9割近い54大会でBIG4のいずれかが優勝している。日本の錦織圭(29歳)も今季ATPツアー初戦のブリスベン国際で優勝し、全豪ではベスト8入りしており、ベテランの域に入ってきた選手たちはまだまだ元気だ。

また、今季の飛躍を目指している若手プレーヤーも群雄割拠だ。その筆頭はアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ、21歳)であろう。グランドスラムの優勝こそないものの、ATPツアー通算10勝を誇り、昨年は年間ポイントなどの上位8選手のみが出場できるATPファイナルズで、フェデラー、ジョコビッチらを破り初優勝を達成した。今季は念願のグランドスラム初制覇、そして世界ランキング1位の座を狙っている。ほかにも、昨年の全仏オープン準優勝のドミニク・ティーム(オーストリア、25歳)、今年の全豪でベスト8に入ったステファノス・チチパス(ギリシャ、20歳)とフランシス・ティアフォー(アメリカ、21歳)、ともに198㎝の長身から放つサーブが強烈なロシア勢のカレン・カチャノフ(22歳)とダニル・メドベージェフ(22歳)、鋭い片手バックハンドが武器のデニス・シャポバロフ(カナダ、19歳)など、世代交代を狙う若手の有力選手は数多い。

写真左からラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、ロジャー・フェデラー

photo:Getty Images

だが、ベテラン勢も簡単には世代交代を許しそうにない。男子シングルス史上最多のグランドスラム優勝20回を誇るフェデラーは通算100回目のATPツアー優勝を通過点にするはずで、全仏オープン優勝11回の史上最多記録を持つナダルはクレーコートでは他の追随を許さない。また、昨年のウィンブルドン、全米オープン、今年の全豪とグランドスラム3大会連続優勝を果たした世界ランキング1位のジョコビッチは全盛期の総合力を取り戻している。そして、今季開幕戦で優勝の好スタート切った錦織は、強烈で多彩なショット、経験を積み重ねた戦術眼ともキャリアのピークを迎えるころで、今季こそ念願のグランドスラム制覇を狙っている。

ズベレフを筆頭にした若手プレーヤーと、ベテラン勢や錦織らが激しく火花を散らす今季の男子テニス界。世代の転換期となり、どの大会で誰が優勝しても不思議ではない時代を迎え、ATPツアーは目の離せない試合の連続となりそうだ。

文=エンターバンク

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