一方、DISH//の存在を広く知らしめた、あいみょん作詞作曲のラブソング「猫」では雰囲気が一変。歌詞を噛みしめるような優しくも切実な歌声で会場を包み込んでいく。北村がアコースティックギターを携えて歌う「birds」や、"いつもいつもありがとう"という真っ直ぐなメッセージが胸を打つ、マカロニえんぴつのはっとりと北村匠海が共作した「沈丁花」など、4人で紡がれる温かみのあるサウンドもまた魅力的だ。

そんな緩急に富んだセットリストの中でも、DISH//の真骨頂と言えば、やはりメンバーたちが標榜してきた"ダンスロック"なナンバー。軽快なビートとリズミカルなラップが絡み合う「星をつかむ者達へ」や、"和"の祭りのテイストを盛り込んだ「プランA」など、DISH//ならではの、思わず体を動かしたくなるような多幸感に満ちたステージでファンを魅了する。

そしてツアータイトルに掲げられた新曲「群青飛行」。「終わらない青春」を歌ったこの楽曲では、北村の真摯な歌唱やバンドのエモーショナルな演奏でDISH//という青春への思いを奏でるなど、ひとつの転機となる大事なライブを通じて、多彩な感情を表現した。

会場全体で矢部の復帰を祝福したMCなど特別な瞬間となったライブに、舞台裏での様子など特別映像を加えて放送される「＜完全版＞DISH// ARENA TOUR 2024-2025 『群青飛行』」。5月からファンクラブツアー「DISH// FC TOUR 2025 『愛してるぜベイベー//』」をスタートさせるなど、立ち止まることなく疾走するDISH//の"これから"に期待する意味でも、このライブはチェックしておきたい。

文＝HOMINIS編集部