再ブレイク中の武田真治もファン!チェッカーズが日本の芸能史に刻み付けたもの

チェッカーズ 1985 Ⅰ Typhoon' TOUR
チェッカーズ 1985 Ⅰ Typhoon' TOUR

1992年の解散以来、再結成が切望されているチェッカーズ。昨年、デビュー35周年を迎えリイシューなどで盛り上がるなか、10月に武内享(ギター)、大土井裕二(ベース)、藤井尚之(サックス)から成るバンド・アブラーズのライブに、ソロ歌手として活動している藤井フミヤがゲスト出演し、「涙のリクエスト」など懐かしの曲をプレイするというチェッカーズ史に残る大事件が起きた。

チェッカーズ前とチェッカーズ後

チェッカーズの登場は、日本のポップス史の中でもエポックな出来事だった。彼らがデビューした1983年は、松田聖子や中森明菜など正統派アイドル歌手の隆盛期。10代半ばでデビューし、キラキラの衣装を着て「トイレに行かない」とまで言われていたアイドルたちの中に突如現れたチェッカーズは、博多弁で下ネタもOKという異端な存在だった。ちょっと不良っぽいカッコいい先輩ポジションで女子から支持され、前髪の一部だけが極端に長いという独特なヘアスタイルと奇抜だけれどスタイリッシュなチェックの衣装を原宿男子たちがこぞってマネするという現象が起こった。彼らのブームを機に、アイドルたちは神聖な存在から、等身大の存在に変わっていった。

キャラクターのみならず、デビュー前にオールディーズやドゥー・ワップを演奏していたことを活かしたサックスとコーラス2名の入ったバンド編成と、どこかレトロな楽曲も、アイドル歌謡に慣れ切った耳には新鮮で、2作目の「涙のリクエスト」での大ブレイクを機に、デビュー曲「ギザギザハートの子守唄」、3作目の「哀しくてジェラシー」の3曲が同時に「ザ・ベストテン」のチャートに入るという快挙も達成。あっという間に、音楽でも日本を席巻していった。

これまでのアイドルのイメージを壊してその頂点に立ったチェッカーズは、高視聴率バラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげです」に準レギュラーとして出演し、コントまでこなすマルチな活躍ぶりを見せ、お茶の間でも人気に。

筋肉体操の俳優・武田真治もチェッカーズファン!?

しかしそこは、バンド。実は、ライブが秀逸なのだ。チェッカーズサウンドの要といえるのが哀愁を帯びた藤井尚之のサックスなのだが、彼らのヒットでサックスの売り上げが急上昇したという現象も人気ぶりをうかがわせる逸話。筋肉体操で再ブレイク中の俳優・武田真治も、その購入者のひとりというのも有名な話だ。

11枚目の「Song for U.S.A.」(1986年)まではプロ作家の手によるシングル曲をリリースしていたが、12枚目の「NANA」(1986年)以降の楽曲はシングル、アルバムともに全てメンバーの作詞・作曲となり、音楽的にも成長を遂げた。バンドとしてはスタジアムや東京ドームなどでの大バコでのライブを行ったほか、1987年の「GOツアー」では、日本人バンド初のセンターステージライブを行うなど、演出面でもバンドの枠を超えた華やかなライブを見せていた。音楽的成功を手に入れた後も変にアーティストぶらず、アイドルとしての誇りを持って音楽に向き合ったのもチェッカーズらしさといえるだろう。

そんなチェッカーズの懐かしのツアー映像が女性チャンネル♪LaLa TVで連続放送される。3月放送の「チェッカーズ 1985 I Typhoon' TOUR」は、西武球場での初のスタジアム公演。初期のヒット曲が楽しめるが、なかでも「涙のリクエスト」でのファンの大合唱はトリハダもの。今見ても、歌も楽器隊の演奏もやはり上手い。4月放送の「チェッカーズ 1985 Ⅱ PIRATES TOUR」では、武道館に大きな海賊船のセットを作りあげた。5月放送予定の「チェッカーズ 1986 FLASH!! TOUR」は、初のメンバーオリジナルシングル「NANA」を核とした、第2期チェッカーズの幕開けとなったツアー。6月放送予定の「チェッカーズ 1987 GO TOUR」は、全曲メンバーのオリジナルのアルバム『GO』を引っさげたアイドルから本格派バンドとして飛躍を遂げた最充実期のツアー。今後もライブ映像で、チェッカーズの変遷を継続して確認できそうだ。

文=坂本ゆかり

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放送情報

チェッカーズ 1985 Ⅰ Typhoon' TOUR
放送日時:2019年3月2日(土)18:00~ほか
チャンネル:女性チャンネル♪LaLa TV

チェッカーズ 1985 Ⅱ PIRATES TOUR
放送日時:2019年4月20日(土)23:15~ほか
チャンネル:女性チャンネル♪LaLa TV
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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