宮野真守「自分にできることを一生懸命やっているだけ」"憧れられる存在"としてのX役への向き合い方

声優

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フジテレビほかで朝9:30より放送されているTVアニメ『TO BE HERO X』は、"ヒーローの信頼が数値化される世界"を舞台に、多彩なヒーローたちが己の正義と信念をかけて戦う、bilibiliとアニプレックスによる新たなアニメーションプロジェクト。斬新なビジュアルと現代社会を映すテーマ性を併せ持つ注目作だ。

本作で、ヒーローランキングの頂点に立つ"謎の男X"を演じるのが宮野真守。最後まで目的が明かされない存在に、どのようにして声を吹き込んでいったのか。収録現場で感じた手応えや共演者とのエピソード、さらには「自分にとってのヒーロー像」を語ってもらった。

――今回の『TO BE HERO X』において、宮野さんが感じられた一番の見どころはどんなところでしょうか?

「やはり日本のアニメーションとは違うアプローチがされていて、非常に個性的で面白いところだと思います。映像表現や音楽の使い方も含めて独特な世界観があって、とてもおしゃれで素敵だなと感じました。いわゆるBGMというよりは、一曲一曲が"楽曲"として存在しているといいますか、その使い方が面白いなと思いましたね」

――映像表現に続いて、世界観やシナリオについての魅力はいかがですか?

「"ヒーローが信頼値を得る""誰でもヒーローになれる"という設定は新しいと思いました。SNSがこれだけ普及している社会をうまく取り入れているんですよね。現実でもSNSの反響や反応に人は左右されていて、それをヒーローの力に置き換えている。作中でも誰でもヒーローになれる可能性があるというのは、今の世の中で"誰がインフルエンサーになるかわからない"という状況とうまくリンクしていると感じました」

――放送を見ていると「ついにXの回が来た」という印象ですが、ここまで振り返ってどんなお気持ちですか?

「これまでそれぞれのキャラクターが順にフィーチャーされていって、ようやく最終回でXがメインになる回がやってくる。そういう意味では「やっとだな」という感じはありますね」

――ヒーローランキングの頂点に君臨する"X"についての印象や魅力はどう感じられましたか?

「彼については、僕も視聴者と同じくらいの情報しか持っていなくて。収録のときに制作陣に聞いてもわかりませんと言われました(笑)。なので、発言は難しいのですが、それを踏まえて言うと、僕自身は彼の行動理由をしっかり想像しながら演じていましたね。その上で、彼にはきっと強い信念があるのだろうと感じています。ただ一つ言えるのは、彼の行動の断片を見ても、強い意思を持って動いているということ。その点は僕自身も大切にしながら臨んでいました」

――Xはとても奥深いキャラクターですよね

「彼の本意がどこにあるのかはわかりません。もしかするとそれは本人の意思というよりも、課せられた運命として受け止めているのかもしれない。それでも逃げず、口では嫌がりながらも未来に向かっていくXの存在は、とても面白いキャラクターだと思いました」

――アフレコ現場で印象的だったエピソードはありますか?

「山寺宏一さんは本当に"犬が上手い"なと(笑)。この作品はキャストも非常に豪華で、大御所の方々と一緒に芝居ができたのは有意義な経験でした。同時に、内山(昂輝)くんなど若い世代の表現にも大きな刺激を受けましたね。こういう言い方もあれですがやはり実力派が揃うと、一つ一つのシーンに説得力が生まれると実感しました。山寺さんとは近年ご一緒する機会が増えていて、直接言葉はなくとも信頼していただいているのを感じます。この作品の"信頼値"というテーマにもつながりますが、現場での接し方や芝居の中で強くそれを実感できて、とても嬉しかったです」

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作品情報

TVアニメ『TO BE HERO X』
放送:フジテレビほか、毎週日曜9:30〜
配信:Netflix、Prime Videoほかで毎週月曜12:00〜最速配信中
声の出演者:宮野真守、花澤香菜、内山昂輝、中村悠一、松岡禎丞、佐倉綾音、水瀬いのり、山寺宏一、島﨑信長、花江夏樹ほか

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