水瀬いのり、10周年記念ライブでファンとシンガロング!「みんなから貰った想いや願いや希望、そして愛をしっかり受け止めて、旅はまだまだ続いていきます」
声優

水瀬は、今までのロマンチックなドレスから一転、赤いレースのカットソーと黒のロングジレを合わせたクールなパンツスタイルで登場。「Starry Wish」「スクラップアート」「NEXT DECADE」と、パワフルかつスタイリッシュな楽曲で、アーティストとしての多面的な魅力を見せつけた。
「どんな時も、みんなと一緒だったから、紡いで来られた音楽と、そしてアーティスト・水瀬いのりだったと思います。これからもそんな日が、何十年だって続くように。そんな気持ちを込めて、この歌をみんなと一緒に歌いたいと思います」とMCで告げてから、疾走感溢れるロックナンバー「海踏みのスピカ」を披露。「準備はもういいかい?」から始まる最後のフレーズでは、シンガロングが沸き起こり、水瀬と会場が一体となった。

続いて、深海から浮かび上がる泡を映し出した紗幕の向こうに、黄色の花柄ドレスに着替えた水瀬が佇み、キーボードとバイオリンという優しい音色と共に、「BLUE COMPASS」を届ける。そして、センターステージに移動しての9thシングル「Starlight Museum」では、途中で涙ぐみ、声を詰まらせる場面も。MCでも、この日の会場でもある横浜アリーナでの初ライブがコロナ禍での無観客開催だったことに触れ、「皆さんに囲まれて歌うというのが、どれだけ大変なのかということを身をもって知って、めちゃ寂しくて、めちゃ不安だったので」と、当時を振り返り、涙した。しかし、今日は超満員の客席に囲まれてのライブが実現し、「それが叶えられて、すごくうれしいです」と感謝を伝えると、会場からは割れんばかりの歓声が沸き上がった。
2ndシングルのリードトラック「harmony ribbon」では、「みんなの声聴かせて!」という声に応えてのシンガロングに水瀬は笑顔を返し、会場全員を抱きしめるようにハグのポーズを取る。そして、「みんなからもらった想いや願いや希望、そして愛をしっかり受け止めて、11周年、12周年と私たちの旅はまだまだ続いていきます。そんな気持ちを込めて、これからもそばにいてねって遠くの席まで届くように、最後の曲、歌わせていただきたいと思います」と語り、「Innocent flower」でライブ本編を締めくくった。

盛大な「いのりんコール」を受けてのアンコールでは、今まですべてのライブ前に行われてきた円陣の様子をつなぎ合わせた、この日だけの特別映像も上映。そして、水瀬は彼女がデザインしたオリジナルキャラクター"くらりちゃん"のトロッコに乗って、新曲「Turquoise」や、自身初となるメドレーも披露。

そして、「ここがゴールではなくて、まだまだ私たちの夢が続いていく。そして、その夢の続きの中にはみんながいてくれたらいいなって思いながら歌詞を書きました」と告げてから、共作で自身も作詞に携わった新曲「夢のつづき」を披露し、ライブは一度、幕を下ろした。

しかし、熱烈な「もう1回!」コールに応え、水瀬が再びステージに。全公演中止になった「Inori Minase LIVE TOUR 2020 We Are Now」で初披露予定だったという、壮大なロックナンバー「僕らは今」を歌唱。再び涙ぐむも、観客からの歓声とシンガロングに後押しされた水瀬は、最後まで熱いパフォーマンスで駆け抜け、アニバーサリーライブを見事に完走した。
取材・文=中村実香 撮影=加藤アラタ(Kato Arata)/三浦一喜(Miura Kazuki)









