梶裕貴、高橋留美子作品への愛を語る 念願の『MAO』出演に「声優としての喜びを強く感じています」
声優

――摩緒を演じるうえで、難しかったところはありましたか?
「その繊細な温度感をチューニングするのが、とにかく難しかったですね。スタジオ収録の現場自体はすごく和やかで、常にみんなでニコニコ会話しているような空間だったんです。でも当然ドラマの中の摩緒は、常に冷静沈着。そういった和気藹々としたムードに引っ張られてはいけないわけです。声もテンションも基本ロートーンな人物なので、レコーディングが始まる手前でちゃんと切り替えないと、うまく役に入れないんです。とはいえ、立ち位置的には座長的ポジションでもあるので、一人で孤立するのも違うなと思って。なので、休憩中と収録時の切り替え、自分とキャラクターの切り替えに関しては、かなり意識的に行っていました」
――本作には魅力的なキャラクターが多数登場しますが、梶さんが気になるキャラクターはいますか?
「今発表されている中で言うと、乙弥が好きですね。見た目はちびっ子のようで可愛いらしいんですけど、中身は摩緒の式神らしく、淡々としていて肝が据わっていて。そのギャップが魅力的ですし、それを演じる寺澤百花さんの声と表現もすごくマッチしていて」
――アニメ化を経て、人気がでそうなキャラクターですよね
「そう思います。現場でも乙弥のぬいぐるみ欲しいね、みたいな話をよくしていました(笑)」

――その中で梶さんが思う、摩緒のかっこよさはどんなところにありますか?
「経験値というか、それに裏付けされた大人っぽさですね。900年生きている人物なので、もちろん"大人も大人"なんですけど(笑)、やはりそれだけの安心感があるところでしょうか。摩緒がいてくれるなら大丈夫だろう、と男女問わず、無条件で信じられる。でも、その一方で、ところどころ相手を振り回してしまうような部分もあって(笑)。菜花に対して見せる変化や、本来持っている優しさがふっと透けて見える瞬間、そのギャップが素敵だなと思います」
――収録現場の雰囲気や、共演者の皆さんとの印象的なエピソードはありますか?
「菜花役の川井田夏海さん、乙弥役の寺澤さんは、いわゆる若手・新人声優さんだと思うのですが、お二人とも"よくぞ見いだしたな"と驚くくらいにぴったりで、本当にお上手で。彼女たちを筆頭に、キャストの皆さんがすごくハマっているなというのは現場で感じていました。今後は百火役の下野紘さん、華紋役の豊永利行くんも登場しますし、他にも強烈な存在感を放つキャラクターがたくさん出てきます。皆さん作品愛が本当に強くて、『このシーン、アニメだとどういう表現になるのかな?』と常にウキウキ話していた現場でした。それから佐藤照雄監督が、ものすごく気遣いをしてくださる方で、毎週のように差し入れをご用意してくださって。旬の果物が確定であるんですよ(笑)。冬から春にかけての時期に頂戴した、見たこともないくらいに輝きを放っていたいちごが強く印象に残っています。みんなそれを楽しみにスタジオに通っているところもありましたね(笑)。
音響監督の菊田浩巳さんは、僕がド新人の頃からお世話になっている大ベテランで、ほどよく現場の空気を締めてくださるお方。そんなお二人のそのバランスが心地よくて。アフレコがスタートする前に、『梶さんの、ちょっと大人なお芝居を楽しみにしていますね』と言われ、若干プレッシャーにも感じていたのですが(笑)、終わる頃には『梶さんの摩緒、とても素敵でした』と言っていただけて、それがすごくうれしかったですね」











