花澤香菜、歌うことは「なくてはならないもの」 声優業にも通ずるアーティスト活動の現在地【花澤香菜をつくる6つのピース】

声優

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――初めてのライブは覚えていますか?

「最初は、本当に味方しかいないはずなのに、なんでこんなに緊張するんだろうっていうぐらい震えていました(笑)。自分に自信もなかったですし、キャラクターを背負わずに舞台に立つ経験がそれまでほとんどなかったので、何をしゃべったらいいんだろうとか、初めてのことだらけで、とにかく緊張していました。でも、ライブってやっぱり生ものなんですよね。毎回違いますし、ありがたいことにバンドメンバーの皆さんと一緒にやらせてもらっているので、その場で一緒に波を作っていける感じがすごく楽しいんです。ファンの皆さんに、今の自分が考えていることや感謝を直接伝えられるのもライブの場なので、今では声優のお仕事と同じくらい、なくてはならないものになっています」

――声優は役を通して表現するお仕事ですが、アーティスト活動は花澤さん自身の言葉や感情で立つ場でもありますよね。両方をやってきたからこそ、互いに影響し合っている部分もあるのでしょうか?

「あります。レコーディングの時に、細かくディレクションをいただくことがあるんですけど、それを一度言われると、次もわりと再現できるんですよね。北川さんには、それがちょっと特殊能力みたいに言われたことがあって(笑)。でも、それってたぶん声優の仕事でも同じなんです。アフレコ現場でも、一度こうと言われたことはちゃんとロックして、そこから流れを作っていくので。そういうところに、声優として積み重ねてきたものが出ているのかなと思います。あと、周りの人の芝居を聞くことが大事なのと同じように、周りの楽器の音をちゃんと聞くこともすごく大事なんだなとわかりました。独りよがりに歌ってしまうと、全然良くないんです。レコーディングで後から聴くと、それがすごくわかったりして。何回か歌ってみる中で、音楽に身を委ねて、感覚で歌っていたほうがいいことのほうが多いんだな、と感じることもあります。そこは不思議だけど、すごく面白いですね」

――たしかに今のお話を聞いていると通じる部分もたくさんあるんでしょうね

「あると思います。ただ、歌手の方によって捉え方は全然違うと思うんですけど、私の場合は、ものすごく歌い上げるタイプでもないですし、ずっと強い感情を前に出して歌う感じでもないので、そういう意味では、自分のアーティスト活動のあり方が声優の仕事と近いところにあるのかなとは思います。逆に、アーティスト活動が声優の仕事に返ってきているなと思うのは、やっぱり度胸がつくことですね。いろんな舞台に立たせてもらえるので。歌って、本当に繊細なんですよ。場所が違う、お客さんが違う、ちょっとした条件が違うだけで、こんなに緊張の仕方が変わるんだって毎回感じます」

――自分と向き合う、という意味では、作詞も大きいですよね

「そうですね。そういう中で、自分と向き合う時間が圧倒的に増えました。普段だったらあまり深く考えないような感覚までちゃんと見にいく、ということが増えたんです。すごく楽しい時も、すごく落ち込んでいる時も、その感覚を覚えておくというか。アーティスト活動ではそれを歌詞にできたり、歌う時の表現にできたりしますし、声優の仕事では、それがいろんなキャラクターにフィットする助けにもなっている気がします」

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