「相棒」で見せる水谷豊反町隆史による餅つきのような一体感【第1話無料放送】

(C)東映

それが顕著に感じられるのは、2人による掛け合いというより、2人の第三者に対するセリフ回しだ。容疑者の平井や慶子に対してや、捜査一課の伊丹と芹沢、さらにはサイバーセキュリティ対策本部の青木(浅利陽介)に対してなど、「特命係」としての言い分を語る時の一体感は筆舌に尽くし難い。特に同回は、2人が田臥に事件のあらましを振り返りながら説明するというナタラージュの構成で描かれているため、長い説明も2人の補完しあうセリフ回しがリズミカルで、全く"説明"であることを感じさせないのだ。

作品の軸となる水谷の表現する右京との色の違いをどう出すかが"相棒"の命題であろうが、反町は亘に"品の良さ"や"スマートさ"など(あくまで他の"相棒"と比べてではあるが)あえて右京と似た要素のあるキャラクター作りで、これまでと違った"相棒"像を描き出している。もちろん、そこには水谷の作る右京というどっしりとした柱があってのことであることは言うまでもない。そんな似た部分の多い2人であるが故に成立する息の合った一体感は、他のシリーズにはない魅力であろう。

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加えて、亘が法務省のキャリア官僚から異例の措置を経て警視庁の一員となったという人間性における異分子感を、取手を持たずにカップを持ち上げることで表現している反町の細かい仕事についても触れておきたい。

作品の幹のように樹立する水谷の右京と、他の"相棒"たちとは一線を画すキャラクターを作り上げた反町の亘の、息の合った芝居を楽しんでいただきたい。

文=原田健

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放送情報

相棒 season16 #1

放送日時:2023年3月5日(日)16:00~  無料放送

チャンネル:東映チャンネル

※放送スケジュールは変更になる場合があります

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