本田翼演じる放射線科医・甘春杏が未知の感染症から人々を救う！その演技も注目の「劇場版　ラジエーションハウス」

父親を看取るシーンでは、演技ではなく本当の家族かのようにも思えるほど悲しみを吹き出させ、島で知り合ったお婆さんの手料理を口にした時は、とろけそうなほどの至福の笑顔となる。普段は落ち着いた印象のある杏だが、要所でハッとするような絶妙な表情を見せてくれるのだ。

医師として活躍するシーンももちろんある。島で診察するにあたって、携帯で病院の仲間の協力を仰ぐ時は、顔中が感謝の気持ちでいっぱいになる。また、レントゲンを見る時の真剣な表情には、患者を救いたいという心情が寸分の隙もなくにじみ出る。そして、五十嵐と電話でやりとりして原因を突き止めた時には、視線をぐっと上げて「絶対に治す！」という強い思いで視聴者を貫く。杏の感情の動きはもちろん、杏が持つ思いの強さや医師としての責任感が、その演技から十二分に伝わってくる。

ドラマでは杏が人として、医師として成長していく姿が描かれていた。その集大成ともいえる本作で、仲間と共に多くの経験を積んできた放射線科医・甘春杏を演じきった本田の演技もまた、素晴らしい進化を遂げていると言えるだろう。

物語の終盤で杏は、島にまん延した未知の感染症と1人で戦うことになる。杏は島民を救えるのか。その時、唯織ら甘春総合病院の仲間はどうするのか。そして杏たちは感染症に打ち勝てるのか。本田が演じる杏や、窪田が演じる五十嵐たちの活躍を、ぜひクライマックスまで楽しんでほしい。

文＝堀慎二郎

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