韓国ドラマの日本版が作られることは珍しくないが、ひとつの街を舞台にロケ撮影をした作品は、主人公の他に、街がもうひとつの主役となるため、リメイクのハードルが上がる。「六本木クラス」はそんな難しいチャレンジをしたドラマだ。
韓国版はWEBコミックを原作にし、大ヒットした「梨泰院クラス」。愛する父親を殺され、飲食店チェーンの大手企業社長への復讐を誓った青年が、梨泰院というソウルの人気スポットに店を開いて誰の助けも借りずに奮闘するものの、経営は上手くいかない。そこに天才的な頭脳を持つインフルエンサーの女子高校生がマネージャーとして加わったことで、歯車が上手く回り出すという痛快なサクセスストーリーだ。主人公のセロイを演じたパク・ソジュンを始めとする俳優たちが個性的かつ魅力的で、韓国のみならず、日本などでも熱狂的なファンが生まれた。
2022年制作、日本版の「六本木クラス」では、竹内涼真が主人公・宮部新を演じ、マネージャーの麻宮葵を平手友梨奈が演じた。新の幼なじみで初恋の人・楠木優香を演じるのは新木優子。その優香は新にとっては憎いかたきである長屋茂(香川照之)の会社に就職してしまうのだが、そこには茂の長男であり、新の父を死なせた龍河(早乙女太一)もいた。この5人のキャスティングが、韓国版のイメージにかなりリンクしていると評判になった。
竹内涼真は、「テセウスの船」「君と世界が終わる日に」もそうだが、過酷な運命に人生を狂わされる善良な男の役、つまり"巻き込まれ型"の主人公が似合う。ただ、「六本木クラス」の新には、父を失い、どん底に落ちたところから、這い上がっていくハングリーさがある。竹内は高身長のイケメンだが内面の熱さを感じさせる、良い意味で泥臭いタイプだけに、この復讐劇にはぴったり。長屋役の香川という強敵に相対しても、エネルギーでは負けてはいない。特に、最終話での対決シーンは鬼気迫る、演技を超えたものを感じさせる。
放送情報【スカパー!】
六本木クラス
放送日時:2024年12月11日(水)20:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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