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佐藤流司、30歳で刻んだ原点と現在 4th写真集『Reason』に込めた思い

俳優

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写真集『Reason』を発売した佐藤流司
写真集『Reason』を発売した佐藤流司

(C)大靍円/講談社

30歳という節目に、自身4冊目となる写真集『Reason』を完成させた佐藤流司。タイトルに込めたのは、これまで歩んできた道のりと、今ここにいる「理由」への静かな誇り。舞台となったのは、自身が生まれ育った故郷・仙台。懐かしさと変化に揺れる街で撮影を重ねながら、過去と現在、そして未来をつなぐかけがえのない一冊が生まれた。すべてを込めた写真集について、今の思いを語ってもらった。

――30歳という節目に発売される今回の写真集。まずは、完成したものをご覧になった率直な感想をお聞かせください

「正直なところ、自分ではまだ完成品の良し悪しを判断できていないんです。ただ、自分がやりたかったことを全力で詰め込んだという手応えはありますし、ここまで来たらあとは受け取った皆さんにどう感じてもらえるかだと思っています。芝居にしても音楽にしても、自分が表現できることはすべてやりきったつもりです」

――ファンの方に託す、という感覚なんですね

「はい。やれるだけのことはやったので、あとは皆さんそれぞれの視点で楽しんでもらえたらうれしいです。作品って、発信する側がすべてコントロールできるものではないですし、むしろ自由に受け取ってもらったほうが健全だと思っています」

――今回のタイトル『Reason』は、ご自身で考案されたそうですね。どのような思いを込めたのでしょうか?

「これまでも、作品のタイトルには『R』から始まる言葉を使うというマイルールがあったんです。今回もそれを守りながら、20代最後の写真集にふさわしい言葉を探していました。『Reason』には、"今ここにいる自分の理由""歩んできた人生の理由"という意味を込めています。この一冊が、自分自身の軌跡を少しでも形にできたらと思っています」

――ご自身の歩みを振り返る意味合いも強いのですね

「はい。たくさんの偶然や選択が積み重なって、今の自分がある。その流れを一度立ち止まって見つめ直す、そんなきっかけになればと思っていました」

タイトル『Reason』への思いとは?
タイトル『Reason』への思いとは?

『佐藤流司4th写真集 Reason』より (C)大靍円/講談社

――そもそも30歳という節目で写真集を出したいという思いは以前からあったのでしょうか?

「ありました。今はスマホで簡単に写真を撮れる時代ですけど、やっぱり紙という形でしっかりと残るものを作りたかったんです。デジタルデータは便利だけど、時間が経つと忘れてしまったり、どこかに埋もれてしまったりする。でも紙の本なら、ふとした瞬間に手に取って思い出に浸ることができるじゃないですか。そういう未来への贈り物みたいなものを作っておきたかったんです」

――ご自身の記録としても、大きな意味を持つ一冊になったわけですね

「30歳というのは、ひとつの区切りだと思っているので。このタイミングで残せたことに、すごく意味を感じています」

――撮影は故郷・仙台で行われました。久々の地元はいかがでしたか?

「懐かしい場所もありましたが、街の景色はずいぶん変わっていましたね。新しい建物ができていたり、昔あったお店がなくなっていたり。懐かしさと、少しだけ寂しさと、それでも新しい発見にワクワクする気持ちと...いろんな感情が入り混じっていました。でも、実際に帰ってみると、やっぱり地元には特別な感情があるんだなと気づきました。たとえ意識していなくても、体のどこかに染みついているものなんだなって思いましたね」

撮影は佐藤流司の故郷・仙台で行われた
撮影は佐藤流司の故郷・仙台で行われた

『佐藤流司4th写真集 Reason』より (C)大靍円/講談社

――普段はあまり帰省されないそうですが

「ほとんど帰ってないです。移動も大変ですし、実家に帰ると両親にも『帰ってきてもいいけど、働け』って言われるので(笑)。今回の撮影で、仕事を理由に久しぶりに帰れたのは、すごくありがたかったです」

――撮影では、思い出深いライブハウスにも訪れました

「人生で初めて、自分の意思でライブを観に行った場所がそこだったんです。震災の影響で建物自体は変わっていましたが、名前だけは当時と同じで。中に入ったときも、当時の面影は正直あまり残っていなかったのですが、当時スタッフだった方がまだいらっしゃっていて。久しぶりに言葉を交わすことができたのは、すごくうれしかったです」

――今回の撮影では、制服姿にも挑戦されました。着てみていかがでしたか?

「素直に言うと、さすがに照れくさかったです(笑)。ただ、これが本当に最後だろうなという気持ちで臨みました。大人になればなるほど、制服ってどこか別世界のものになっていくじゃないですか。だからこそ、今のうちに写真として残しておきたかった。高校時代に通っていた学校の制服もブレザーだったので、当時の自分を少しだけ思い出すような感覚もありました」

――年齢を重ねても制服を着られるのは、役者としての仕事ならではですよね

「そうですね。プライベートで着ていたら完全にヤバい人なので(笑)。仕事だからこそできる、ある意味貴重な体験ですね」

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作品情報

佐藤流司4th写真集『Reason』
2025年4月25日(金)より発売中

詳しくは
こちら

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