当時20歳の薬師丸ひろ子が主演を務めた80年代アイドル映画の傑作『Wの悲劇』

(C)KADOKAWA 1984

そんな静香はある日、巡業先で劇団のスター女優(三田)が起こしたスキャンダルに否応なしに巻き込まれることに。何度も拒否するものの、「役者でしょ?」と強く言われ、ホテルの部屋で開演をイメージしながら、スイッチをオンにして演技するところは女優魂を感じさせる場面。清純派から脱皮しようとする薬師丸のエネルギーが映像からも伝わってくる。

■「顔、ぶたないで!私、女優なんだから!」語り継がれるセリフ

現実に起こった悲劇とシンクロするような舞台「Wの悲劇」はキャストを交代して上演されることになる。巻き込まれた静香は記者会見に出席するなど、一躍、時の人となるが、事情を知らない森口は静香を待ち伏せして、何があったのか問いつめ、口を割らない静香を平手打ち。そこで放ったのが、当時視聴者から真似されるほど流行った「顔ぶたないで!私、女優なんだから!」の有名なセリフだ。

(C)KADOKAWA 1984

静香が活躍するようになることを誰よりも願いながらも恋愛感情との間で揺れる森口と、その気持ちを知りながら女優という仕事の魅力にますます取り憑かれていく静香。雲の上の存在のような三田の女優然とした演技も素晴らしく、森口の前でも最後まで女優を貫き通す薬師丸の強くて切ない一挙一動から目が離せない。なお、主題歌に起用された松任谷由実作曲の「Woman"Wの悲劇より"」
も大ヒットを記録。薬師丸の澄んだ歌声が映画を締めくくる。

文=山本弘子

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放送情報

Wの悲劇
放送情報:2022年9月3日(土)14:00~
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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