加藤大悟、ファンと共に"育てる"ステージへの思い「反骨精神はずっと自分の中にある」

ミュージシャン

――表題曲「higher」では、TikTokで掛け声のレクチャー動画も公開していました。愛知公演で実際に届けてみて、お客さんの反応はいかがでしたか?

「思っていた以上に皆さんが声を出してくれて、びっくりしました。一部の映像も見返したんですけど、『おお、すごいじゃん!』って(笑)。それぐらい僕を驚かせてくれたので、僕もファンの皆さんに負けていられないなと思いました。そうやってお互いにぶつかり合えるのが、ライブをやっていて楽しいところですね」

――愛知公演を経験したファンの方が、東京公演では会場を引っ張ってくれることもありそうですね

「そうなってくれたら嬉しいです。愛知公演を見てくださった方が東京にも来て、声を出したり、立ち上がったり、『ここは盛り上がるところなんだ』という空気を作ってくれたら、初めて来た方も『こうすればいいんだ』とわかると思うんです。そういう一つひとつがつながって、積み上がっていくことが、僕はいわゆるライブを"育てる"ということだと思っています。僕自身もやるし、お客さんも一緒にやる。みんなで一体感を持って、『一人じゃないよ』ということを感じてもらえたら嬉しいですね」

――「higher」という楽曲自体には、どのような思いを込めていますか?

「とにかく、聴いていてテンションがぶち上がる曲です。この曲を聴いて、『ちょっとでも頑張ろう』『もっと上に行こう』と思ってもらえたらいいなと思っています。僕自身、結構"反骨精神"を持ってここにいるんです。反骨精神って、ときには悪く見られることもあると思うんですけど、それを自分の信念として持っていることで、『負けられない』という強い気持ちを持って生きていける。ネガティブになったり落ち込んだりしても、その炎が少しでも残っていたから頑張れたことが、何度も僕にはありました。誰にだってつらいときや疲れているとき、しんどいときはあると思います。そんな人の一歩、半歩でも後押しできたら。もっと高いところへ上がっていこうという思いを込めた曲です」

――レコーディングでは、ボーカル面でもかなり試行錯誤されたそうですね

「そうですね。僕の声質って、柔らかくて甘めなんです。僕自身はあまり好きじゃないんですけど(笑)、ファンの皆さんが『その声がいい』と言ってくださるから成り立っているところがあって。ただ、『higher』が求めるスピード感や力強さとは、最初はなかなか噛み合わなかったんです。『この声の出し方はどうだろう』と制作陣の皆さんと何度も話しながら試していたら、終わったのが朝4時半でした(笑)」

――TikTokの動画では、途中で「2時半」と話していましたが、そこからさらに続いていたんですね

「そうなんです。2時半でもう終わると思っていたんですよ(笑)。結局、1曲に6時間以上かかりました。久しぶりに一曲にここまで時間をかけましたね。しかも、ライブの表題曲を公演前に配信すること自体、僕にとっては初めてに近かったんです。だから『ミスれないな』という気持ちもありましたし、いろいろな思いが詰まった曲になりました」

――先ほど"反骨精神"という言葉がありましたが、その気持ちは芸能界に入ってから生まれたものなのでしょうか?

「全然。小学生の頃から変わらないです(笑)。ただ、反骨精神だけがあっても、自分が何もできていなかったら、ただ尖っているだけになってしまうと思うんです。僕自身、自分に甘えてしまうところもあるので、この気持ちは自分への戒めでもあります。18、19歳の頃から掲げているモットーがあって、"何事も一生懸命頑張る""初心を忘れない""ありがとうを欠かさない"。そこに反骨精神もずっと自分の中にあるものですね」

――昨年のライブから公演を重ねていますが、アーティストとしてご自身の成長を感じる部分はありますか?

「自分自身より、ファンの皆さんの変化を感じることのほうが多いかもしれないです。皆さんが僕のことを見守ってくれているのはもちろん、『ライブを盛り上げよう』としてくれている気持ちもすごく感じます。初めて僕を見る方にとっては、そのライブが『加藤大悟ってこういう人なんだ』と知る瞬間でもあるので、僕はそれに応えるので精いっぱいです。僕自身が成長することは、ある意味当然だと思っているんです。いろいろなものが値上がりしている中で、それでもチケットを買って会場まで足を運んでくださる方に、ちゃんと返したいと思っています」

――アーティストとして活動するうえで、特に大切にしていることは何でしょうか?

「感謝の言葉ですね。本当に"ありがとう"です。"ありがとう"って、何回言われても嬉しくないですか?"ごめんね"は何度も言われるともういいよってなることもあるかもしれないけど(笑)、"ありがとう"はそうならないと思うんです。本当に些細なことでも、"ありがとうございます""ありがとう"と言うだけで、人間関係もうまくいくし、いろいろな縁も広がっていく。自分の人柄を形成するうえでも、"ありがとう"という言葉はすごく大切にしています。アーティストとしても、役者としても、一人の人間としても、そこはちゃんとしていたいですね」

――ステージ上の加藤さんを見ていると、とてもポジティブな方という印象があります

「でも、自分自身はめちゃくちゃネガティブですよ(笑)。しこたま落ち込みます。落ち込んだら家から一歩も出ないくらい引きこもって、ずっとバラードを聴いています。よく聴くのは中島美嘉さんの『雪の華』です。春夏秋冬関係なく(笑)。僕は、一度どん底まで落ちて、そこから上がっていくタイプなんです。本当に人生、ジェットコースターみたいな感じです」

――普段の姿からはなかなか想像できません

「そう言ってもらえるならよかったです。『想像できます』って言われたら、僕の中ではエンターテイナーとして失敗なので(笑)。あくまで僕の理論ですけどね。落ちたときは、マネージャーさんにもいろいろ聞いてもらっています。僕はマネージャーさんやプロデューサーさんのことを、仕事上の関係というより"仲間"だと思っているので。そういう周りの人たちには支えてもらっていますね」

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