続いて「デラシネ」「幻日」でファルセットを駆使した多彩なボーカルを聴かせた後は、椅子に座って披露するアコースティックコーナーへ。日替わり曲となった「林檎」や、トイピアノのノスタルジックな音色が楽曲の世界を際立たせた「ワルツ」、「風花」に加え、声優・江口拓也に提供した「Lonely Darling」のセルフカバーバージョンをしっとりと聴かせた。
MVやライブの模様など、5年間のアーティスト活動の模様をコラージュした幕間映像の後、斉藤は黒のシャツ姿でギターを手にステージに現れ、バンドパートへとなだれ込む。最新EP「陰/陽」に収録の「mirrors」を皮切りに、メランコリックなボーカルと熱のこもったギタープレイで「蠅の王」「Paper Tigers」「memento」といった疾走感溢れる楽曲を気心の知れたメンバーと共に奏でていく。
最後のMCでは、ようやくライブで復活したコール&レスポンスに言及。「音楽も芝居も人間関係も、大事なのは人と人との対話なのかな、と思っています。僕らも届けるだけでなく、皆さんからたくさんの思いを届けてもらっているんだなと、改めて感じます。皆さんがくれたその思いのかけらが1つ1つ合わさって、結晶のようなこの舞台を作ってくれています」という言葉と共に、「結晶世界」で優しい歌声を響かせた。
アンコールでは、ライブTシャツに着替えた斉藤。まぶしい笑顔でハッピーチューン「Summerholic!」と、デビュー曲「フィッシュストーリー」を軽やかにパフォーマンス。ダブルアンコールの「いさな」では、熱い叫びとギターで会場を揺さぶり、2日間に渡る記念すべきライブを締めくくった。
取材・文=中村実香
放送情報
M-ON! LIVE 斉藤壮馬 「斉藤壮馬 5th Anniversary Live “banquet”」
放送日時:2023年7月29日(土)23:00~
チャンネル:MUSIC ON! TV(エムオン!)
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
詳しくはこちら