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遠藤と菊池が「星影のワルツ」で演じたのは、仕事や結婚で子供たちが巣立ち、2人で暮らす農家の夫婦。自宅の屋根のがれきに乗って漂流する孝志のひとり芝居が多くを占める本作で、菊池が登場するのは主に回想シーンとなる。
1人暮らしの息子の世話をするため家を空ける恭子から料理を習ったり、恭子が押さえたはしごに登って屋根のペンキを塗り直したり、2人で山登りをした時には往年のヒット曲「星影のワルツ」を口ずんだ恭子...。厳しい寒さや飢えと戦いながら、孝志は恭子と過ごした日々や何気ない出来事を思い出し、死んでたまるかと気持ちを奮い立たせていく。全身ずぶぬれで途方に暮れる現実と記憶の中の平穏な日々。カットバックで映し出される姿とのギャップに、あらためて遠藤の振り幅の広さを思い知らされる。
一方、菊池の見どころは平凡な主婦のリアクション。孝志が作った焦げた卵焼きを食べておいしいとほほ笑んだり、娘が嫁いで2人暮らしになった時に孝志に向かって「これから一緒にやっていこうね」とそっと手を握ったりと、何気ない表情やしぐさ全てに生活者のリアリティがあふれている。









